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研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

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豊橋市自然史博物館において、出前授業を行いました。

あいちサイエンス・コミュニケーションネットワーク事業の一環として、2014年12月7日に豊橋市自然史博物館において、「染色体に刻まれた脊椎動物の進化」というタイトルで講演を行いました。魚類から両生類、爬虫類、鳥類、ヒトに至るまで、幅広く脊椎動物を対象としたゲノム・染色体の進化について話をしました。小学生から高校生、社会人に至るまで多くの方々が出席し、熱心に話を聞いてくださいました。そして、長時間にわたり活発な質疑応答が行われました。ゲノム、染色体、遺伝、進化というテーマには、年代層を問わず多くの人が興味をもってくださっていることを改めて認識しました。

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これまで、ウズラでは染色体上の位置が特定されたマイクロサテライトマーカーは得られていませんでした。私たちは、東京農業大学資源生物ゲノム解析センターと共同で解読したウズラゲノム配列から、CAリピートが存在するゲノム領域を同定し、多くのマイクロサテライトマーカーを開発して、我が国に存在する実験用ウズラ系統の遺伝学的多様性の集団遺伝学的調査を行いました。その結果、ニワトリに比べてウズラの遺伝的多型の頻度は低く、家禽化された元の集団サイズが小さかった可能性を明らかにしました。また、異なる遺伝的特性をもついくつかのグループに分けることができ、系統化された家禽集団の起源が複数存在した可能性が示唆されました。これらの情報は、ウズラを用いた遺伝学的研究を進めるうえで有用です。 
 
 
Tadano R, Nunome M, Mizutani M, Kawahara-Miki R, Fujiwara A, Takahashi S, Kawashima T, Nirasawa K, Ono T, Kono T, Matsuda Y. Cost-effective development of highly polymorphic microsatellite in Japanese quail facilitated by next-generation sequencing. Animal Genetics 45: 881−884, 2014.

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Staurotypus属のスジオオニオイガメ(S. triporcatus)とサルヴィンオオニオイガメ(S. salvinii)はXY型の性染色体をもち、X-Y染色体間ではrRNA遺伝子のコピー数に違い見られるだけで、性染色体の構造的な分化はほとんど起こっていません。これら2種のXY染色体の比較染色体マッピングを行った結果、16個のニワトリZ染色体連鎖遺伝子はすべてXY染色体にマップされ、X-Y染色体間で遺伝子オーダーの違いは見られませんでした。また、この遺伝子オーダーは、鳥類の祖先型の性染色体を保有しているダチョウのZ染色体のそれらと同じでした。これらの結果から、Staurotypus属のカメと鳥類の性染色体は共通祖先の同じ常染色体対から分化したにもかかわらず、性染色体の進化過程で異なる性決定様式を獲得したこと、そしてStaurotypus属のX染色体とダチョウのZ染色体ではともに構造変化がほとんど起こっておらず、祖先型の染色体構造を保持していることがわかりました。また、Staurotypus属のY染色体は、性決定遺伝子が獲得された後ほとんど分化が進んでいないことが明らかとなりました。本研究成果は、脊椎動物における性染色体の起源とその進化過程を明らかにするうえで、重要な情報を提供しています。 
 
 
Kawagoshi T, Nishida C, Matsuda Y. The Staurotypus turtles and Aves have the same origin of sex chromosomes but evolved different types of XY and ZW heterogametic sex determination. PLoS One 9 (8): e105315, 2014.

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トカゲ亜目に属するニワカナヘビ(Lacerta agilis)はマイクロ染色体を1対しかもたず、多数のマイクロ染色体をもつ爬虫類・鳥類の一般的な核型とは大きく異なります。私たちは、86の機能遺伝子からなるL. agilisの染色体地図を作成し、爬虫類4種(シマヘビ、ミズオオトカゲ、バタフライトカゲ、アノールトカゲ)とニワトリの染色体地図を比較しました。その結果、L. agilisはこれら4種の爬虫類ならびにニワトリと非常に高い染色体相同性をもち、ニワトリの大型染色体の遺伝連鎖群がほぼそのまま保存されていることがわかりました。さらに、ニワトリのマイクロ染色体の連鎖群が大型染色体において高度に保存されていることから、L. agilisでは祖先核型がもつマイクロ染色体が繰り返し融合することによって消失したことを明らかにしました。また、L. agilisのZ染色体はニワトリの6番染色体と9番染色体に相同であり、W染色体は著しく退化した点状の染色体で、ヘテロクロマチンを構成する反復配列のほとんどはテロメア配列 (TTAGGG)nで構成されることがわかりました。本研究成果は、爬虫類と鳥類を含む竜弓類(Sauropsida)におけるゲノム・染色体の進化、特にマイクロ染色体の起源とその消失過程、さらに性特異的なY/W染色体の退化・矮小化の過程を知るうえで重要な知見を提供するものです。 
  
   
Srikulnath K, Matsubara K, Uno Y, Nishida C, Olsson M, Matsuda Y. Identification of the linkage group of the Z sex chromosomes of the sand lizard (Lacerta agilis, Lacertidae) and elucidation of karyotype evolution in lacertid lizards. Chromosoma 123: 563−575, 2014.

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"脳の衰え"への恋愛の効能を語りました

アウトリーチ


 山元は、週刊新潮2015312日号(35日発売)の特集、"40代から兆しが見える! 超早期「アルツハイマー病」完全対策"に登場し、恋愛による脳の活性化と認知機能の関連性につき、自説を述べました。

 

出典:超早期「アルツハイマー病」完全対策、週刊新潮 2015312日号、P. 49.

 

[参考サイト] http://zasshi.jp/pc/action.php?qmode=5&qword=週刊新潮&qosdate=2015-03-05&qpage=3

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