東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年2月の記事です。

【出前講義】平成24年度香川県立観音寺第一高等学校・研究成果報告会・SSH運営指導委員会(2/14)

2013年2月14日 (木)

 前日は、研究室のM2の方々の修論発表会、というか、審査会。こちらが忙しくしていたこともあり、プレゼンのことについて、細かな指導は2回ほど。あとは、HPにプレゼンのことを書いた記事を掲載したこともあり、きちんとしたプレゼンでした。何より、持ち時間の中に納める。つまり、時間を守ると言うことなのですが。。これがけっこうできそうでできないこと。お疲れ様でした。

 さて、SSHの運営指導委員は、岩手県から鹿児島県まで。ずいぶんと多くなりました。今月頭に、鹿児島県立錦江湾高等学校の研究成果発表会。今日が香川県立観音寺第一高等学校。来週は、宮城県仙台第三高等学校、岩手県立盛岡第三高等学校、福島県立福島高等学校、岩手県立水沢高等学校という形で、研究成果発表会と運営指導委員会。こうしたことをまとめて見聞できるのは、比較検討もでき、こちらもよい刺激を頂きます。今年度、観音寺一高校には、6月に講義と運営指導委員会11月にアブラナ多様性の講義。それ以来です。

IMG_4339.JPG 午前最初の挨拶で、昨今の社会問題を踏まえて、科学立国としてのSSHの重要性を香川県教育委員会・教育委員長からコメントがあったことは、社会と科学の接点を考えることの重要性を改めて痛感しました。それについて、今年度の活動内容の概略。海外への派遣もあり、とてもactiveにされていました。海外派遣については、実際にいった生徒さんからの発表があり、大きな刺激(施設、自然、英語力の必要性など)を受けたのだというのが、伝わってきました。また、普段の授業では、科学力を身につけるために、数学的思考力、つまり、回答例を覚えず、あれこれと考えることの大切を実施されているのは、感動でした。先日も書きましたが、「書くことの大切さ」ということも取り入れられ。。。こうした活動が大学、社会に出て大きな力になるのではと実感できました。このような活動状況を踏まえて、昼に運営指導委員、県教委の先生方を含めて、改めて、「文章力」、「英語力」、「プレゼン力」の重要性を改めて、議論できたのは何よりでしたし、校長先生の方から、本プログラムに直接関係している先生方が1/4。また、1年生の先生方は、全員で行っていると。まさに、全員力で、活動をされているのは、本当にここのSSH活動のすごいところであり、評価すべきところではないかと。。。。

IMG_4384.JPG 午後からは、課題研究の全体像。いろいろなことにトライしていること。さらに、4つのコンソーシアム、コアSSHに参加していると言うも、すごいと。。。それに続いて、課題研究のポスターセション。質疑の時間が、40minしかなかったので、ダイコンコンソーシアム、アブラナコンソーシアムの実験について、それぞれ、deepに議論しました。反復実験によるふれ、いわゆる分散の問題と実験系の検証。アブラナコンソーシアムは、来週の末に水沢で発表会があるので、そこでも、また、議論できるのではと思いました。楽しみにしております。最後には活動全体への質疑もdeepな議論でした。それは、この観音寺第一のSSHの取組が他の学校から見て、優れている証拠ではないかと思いました。最後の講評のところで、「広報の重要性」を説かれた先生もいらっしゃいました。時代もここまで来たのだなと。。。感動でした。運営指導委員会では、委員から最近の若手の「積極性・消極性」、「Creativity」、「仕事に対する興味」、「いかにおもしろみを見つけるのか?」、「試行錯誤」、「思考力」、「戦略性」ということを言われて、小中高大連携を超えて、企業まで連携を考えないといけないのだと。。。

 最後になりましたが、石井先生、猪熊先生、校長先生をはじめとする関係の先生方、香川県教育委員会の方々に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。次年度、さらなる発展とまた、講義にうかがえるのを楽しみにしております。


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 わたなべしるす

 PS. 昨年のこの会議で、SSHをされている埼玉県立浦和第一女子高等学校の菅野先生にばったりお目にかかったのを思い出しました。高校には、科学者の卵のエクステンドコースの指導などで伺っていたものの、打合せもなく、四国の地でお会いするとは。。。ほんとびっくりでした。そんなことを思い出しました。今年度は、物理の伊藤先生が参加され、観音寺第一高校のSSHの取組が評価されているのだなと、実感できた1日でした。

 PS.のPS. 自分が海外に行ったのは、1991年の秋。アメリカ・アリゾナ州のツーソンでした。英語も満足にしゃべることができず、本当に恥ずかしい思いをしました。今でも、こうしたことを書くたびに思い出します(ちょっと、HPにはかけないような。。。情けないとしか言いようがないことの連続でした。)。。。ただ、positiveな意味で思い出すのは、湿度が10%くらいであせもあっという間に気化して、シャツの襟首のところが汚れないというか、。。。不思議な現象でした。砂漠に大きなサボテンが自生しているのも。。。Los Angelesの博物館をtransitの関係で見たのですが、その当時。。。同じところに、海外派遣で行った発表には驚きでした。20年の時を超えて。。。(もちろん、展示物の変更はあったのでしょうが。。自分の記憶が追いつかないので、何が違うのかを思い出せませんが。。。)

 PS.のPS.のPS. 数学の授業の中で、おもしろい問題を様々な解答をグループで検討されているのは、positiveなことではと。。。こうした論理的に考えることは、SSHだけでなく、普段の生活でも重要と思うわけです。ところが、最近の数学には、問題集に事細かな解答例があるとか。自分の高校時代には、こんなものはなかったわけで。。。そうしたとき、かつてやっていたことをもう一度考え直す、つまり、今、あの問題集がとある私立高校だけでしか使われてないのは、もったいないというか、問題ではないのかなと思ったのでした。ぜひ、古きを温める問題集をSSHで使って考える力をと思った次第です。去年も愛媛新聞の道標に短くは書いたのですが。。。あらためて。。

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2012年度修論発表会

2013年2月13日 (水)

今日は修士2年の修論発表会でした.


今年度は渡辺研菅野研合わせて4名が発表しました.

ゆうべも遅くまで(もしくは寝ずに)練習を頑張っていたようです.

本番も堂々たる発表ぶりでした.


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発表後の晴れやかな表情を見て,わたしも嬉しくなりました.  


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修士課程2年間の研究集大成として無事に修論をまとめ,こうして発表できてなによりですね.

同時期に東北大へ来た身としても感慨深いものがありました.


残りわずかではありますが,思い残すことのないよう毎日を送ってほしいと思います.


さか



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タイミング、情報収集、次の一手 (2/11)

2013年2月11日 (月)

 アブラナを使った実験を初めて、25年くらいだろうか。花を使った実験であるので、最初は、ポットに苗作りをして、本葉が5-6枚にして、8号鉢(直径24cmくらい)に移植する。植えたあとには、アブラナが耐肥性が強いこともあって、通常の栽培より多め、というか、頻繁に施肥を行う。その分、葉っぱが緑と言うより、深緑、黒に近いような葉っぱにする。ところが、こんなに栄養いっぱいのアブラナになると、虫、病気にすかれる。そんなこともあって、病害虫防除は、欠かせない。というか、このタイミングを逸すると、あっという間に、病害虫にやられてしまう。花が咲く前までは、葉っぱの色は濃いが、花咲いてくると、施肥をしても、どうやら、花の方にたくさんの栄養が必要らしく、葉っぱの色が落ちてくる。というか、花が咲くまでにどれだけ葉っぱに栄養をためたかで、花の数が決まってくる。もちろん、たくさんの花を咲かせるために、主茎がみえたら切除して、分枝させることで、よりたくさんの花を咲かせる。雌しべの先端の柱頭、雄しべの先端の葯をよりたくさん集めないと、実験が成り立たないからである。というか、この一連の栽培の様々なタイミングをつかむのには、もちろん、たくさん栽培することかも知れないが、アブラナの日々の変化を観察すると言うことが大事なのかも知れない。

 観察をすると言っても、24hr観察し続けることはできない。仙台であれば、ガラス室で、加温しなくても、まず、アブラナが凍ることはない。盛岡でいた8年弱には、-10oCを下回ることもあり、葉っぱが凍って困るので、0oCくらいになるまで加温した。必要に応じて、いかに正しい情報を収集できるかが問題となる。これは実験に限ることではない。何をやるにも、今、そのtargetとしている事象が、どの様になっており、どう変化しているのかと言うことを正確に観察して、理解する必要がある。ただ、情報収集をすることは考えているより、はるかに難しい。internetがあり、何でも分かると思っているのかも知れないが、花粉と柱頭の相互作用を考えたときでも、花粉表面、柱頭表面にあるもの全ての記述さえできていないというか、現状の科学力でも無理がある。ただ、可能な限り、正確な情報を集めて、正しく判断することが、次なる発展をもたらす第一歩であることは間違いない。言い換えるならば、スポーツであれば、戦う相手によって、戦術を変えたり、メンバーをかえたりするのは当たり前である。そうしたことをふまえて、今やろうとしていることに対する相手というか、対象によって、やり方、方法を変えると言うことである。

DSCN5207.JPG では、十分に情報収集をして、物事のタイミングをみることができたとき、「次の一手は」となると、すぐには。。。もちろん、現時点でできる、最大限のことを努力することは、当然かも知れない。ただ、大きな飛躍を考えたとき、「次の一手は」を考えると、「転機」と言うことが重要になるだろう。自分の実験を考えたときも、特定の研究室でしか扱えなかった「遺伝子実験」。これが、1990年頃からできるようになった。その時代の転機というか、流れを見逃さずに、やってみたこと。それも、それまでの多くは、RI(放射性同位元素を使った実験系)を使ったものだったのが、non-RI(放射性同位元素を使わない実験系)によるもの。そのやろうとしたというか、できるという時期に、non-RIが登場しなかったら、。。。。今の状況にはなってなかったのかも知れない。つまり、「次の一手」を考えるとき、時代の転機なのかどうなのか、そうしたことも考えないといけないのではないだろうか。。。結構、難しいことかも知れないが。。。ひさしぶりに、大学時代の師匠の日向先生とお会いして、話したことで、こんな学生時代のことを思い出し、脳みその整理ができた1日でした。師匠に感謝しつつ。。。


 わたなべしるす

 PS. 日向先生が、「文章は書かないと上手にならないと。。たくさん書きましょう。」と。いっておられました。時代は変わっても同じなのだなと。。。。

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昔のこと、新しいこと、やってみること、(2/7)

2013年2月 7日 (木)

 1月にセンター試験があり、昨日が国公立の出願の〆切だったとか。学部がなく、研究科、つまり、大学院生だけの対応と言うこともあり、こうした季節の流れにどうも疎い。新聞で、大学の学部ごとの倍率がでているのを見て、昔は今頃というか、もう少し前に、悩んだのであろうと。それくらいしか思わなかった。冷静に考えたとき、大学受験をしたのは、1984年。30年ほど前になる。そんな昔のことと思っているかも知れないが、新聞に、今年のセンター試験の国語の平均点が過去最低とか。自分の時は、その前の共通一次。国語、その中でも、「現代国語」には、模擬試験の時から、「小林秀雄」の文章がよくでていて、何が言いたいのか、分からなかった。今読んだらどうか。。。分からないとしておく。その「小林秀雄」の文章が、センター試験では、初めて出題とか。その影響で、受験生は苦戦して、と。。。その新聞には、30年前には、よく出題されたと。。。確かにそうであった。何を言いたいのか、書いてあるのか、いつも分からず、現代国語の先生に、「渡辺君は、何で、わざわざ間違った答えを選ぶのか???」と言われたが、そんなつもりはなく、読んで解答していた。そんな昔のことが、今頃になって。。。。何か不思議であった。

DSC_7377.JPG そういえば、1984年の冬にもたくさんの雪が降った。出身の愛媛・今治でも積雪があった。すごかった。3月に仙台に受験にきて、雪が残っていて、大きな池が凍ると聞いて、びっくりした。。。。というか、さすがに寒いと思った。ちょうど、30年ほどたって、また、寒さが来たり、国語の問題が出現するのは、何とも不思議である。今年の問題と30年前と何か関係があるのだろうか。偶然だろう。。。ただ、実験というか、研究をやっていて、昔のことをみたら、今の新しいことをほのめかすというか、suggestしているようなこともある。つまり、昔のことに対しても、尊敬というか、respectして、それを発展させて、新しいことを考えるのは、どんなfieldでも重要なのであろう。

 とはいっても、今月の25, 26日には、二次試験になる。あと、20日を切った。30年ほど前の自分がその当時何をやっていたのか、思い出すのは、問題集の問題を解いていたような。ラジオを聞きながら。。。。どこまでがむしゃらだったのか、今考えても思い出せないが、受験当日のことは、不思議なくらい、覚えている。鉛筆をおれないようにするために、サランラップの芯の部分に入れて、上下をティッシュでふたをして、輪ゴム止めして。鉛筆は、カッターナイフで削っていた。時間いっぱいまでできる問題を探して、できる限りのことをやっていた。これが良かったのかどうかはよく分からないが、今に至っている。最後の最後まで、可能な限りの可能性を考えて、努力の限りを尽くして、やってみること。それが、どんなことでも物事を達成するために必要なのであろう。たとえ、30年前の不思議で、困ったことに出会っても。そんな不思議な新聞記事であった。

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 わたなべしるす

 PS. というか、あと少しになった二次試験むけて、受験生の方々。研究をしたり、論文を書いていてそう思うが、最後の最後でどこまでできるかで、結構結果は違う。と言うか、明らかに違う。なんでも最後の最後まであきらめず、がんばること、考えて工夫をすること。それが成功への道だろう。がんばれ!!


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鬼のいぬ間に。。。

2013年2月 6日 (水)

溶けては積もり、溶けては積もり。
この雪はいったいいつまで降るのでしょう。

前田です。


先日、2月3日は節分でした。
日曜日ということもあって、家で豆まきを行い、恵方巻きを食べました。
仙台では、豆まきに落花生を投げるとのこと。
殻があるので、投げた後食べるのに便利ですね。なるほど、効率的。
いっぱい投げて鬼を追い出しました。

鬼といえば、オニキンメ。
一番好きなオニです。

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深海魚って魅力的ですよね。
ロマンを感じます。


紹介したことがあったかなかったか、当研究室でも魚を飼っております。
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エンドリちゃん。
つぶらなおめめがキュート。

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テトラたち。
混泳水槽で自由気ままに泳いでいます。

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2代目プレ子。
お掃除役のヌマエビ達が欠かせません。

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シルバーシャーク。
混泳水槽の重鎮。二度の病気を克服したヌシ。一番思い入れがあります。


彼らとの生活もあとわずかですが、
自分の研究をきっちりとまとめたいと思います。


前田

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