文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
広報/アウトリーチ
山元班の山元と佐藤は、雑誌『科学』の特集"愛と性の科学"に「越境する性」の生物学と題する解説を寄稿し、ヒトのセクシャリティーからショウジョウバエの脳と行動の性差の形成までを、脳の性決定という一つの枠組みで包括的に捉えることを試みています。性の生物学の新たな展開を予感させる解説となっています。
出典:山元大輔・佐藤耕世(2014)「越境する性」の生物学、科学 84, 736-744.
図:雑誌『科学』掲載号(vol. 84, No.7)の表紙
アウトリーチ/広報活動
ショウジョウバエの名の由来を題材に、山元が岩波書店の雑誌『科学』に執筆したエッセイが、このたび岩波科学ライブラリーの一冊、『広辞苑を3倍楽しむ』に収録され、本として出版されました。理系、文系の橋渡しを手助けする肩の凝らない読み物集として、広く読まれることが期待されます。
出典:『広辞苑を3倍楽しむ』、岩波書店(2014)
図:『広辞苑を3倍楽しむ』の表紙
アウトリーチ/広報活動
ノーベル医学生理学賞受賞者のEric Kandelを代表者とする神経科学の定番教科書、Principles of Neural
Science(第5版)が、金澤一郎、宮下保司両博士の監修により、このたび初めて邦訳出版されました。その58章、脳の性分化に関する項目を山元が担当しています。この章には、ショウジョウバエの同定神経細胞に明瞭な性差を発見した山元らのパイオニア的研究が、2ページを費やして図と共に掲載されています。
出典:『カンデル 神経科学』、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2014。
図:『カンデル
神経科学』日本語版表紙。
研究成果
山元班の山元大輔、佐藤耕世、小金澤雅之は、ショウジョウバエの求愛行動を作り出す神経機構に関する総説を、Journal of Comparative Physiology Aに発表しました。この総説は、最新の知見の集約よりもむしろ基本的知識の提供に重きを置いた、いわば入門的性格を持つものです。
図:掲載誌の表紙
出典:Yamamoto, D., Sato, K. and Koganezawa, M. (2014) Neuroethology of male courtship in Drosophila: from the gene to behavior. Journal of Comparative Physiology A 200, 251-264.