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【東北大】山元班の記事を表示しています

山元班の研究成果がNature Communicationsに掲載されました

雄に求愛された雌は、受入れるか、拒否するか、いずれかの決断をします。キイロショウジョウバエ野生型の性的に成熟した雌は、雄の求愛をたいてい数分のうちに受入れます。ところがspinster突然変異体の雌は、1時間にわたり雄と一緒にしておいてもその間拒否を続け、交尾成功率が0%にまで低下します。このspinster変異についてホモ接合となった細胞を脳に少数作り出し、どの細胞が変異型となった時に雌が拒否をするのかを解析しました。その結果、脳内の二つのニューロン群、Spin-ASpin-Dが、雌の"受入れ−拒否"の意志決定をしていることを突き止めました。さらに、mTORシグナリングがこの決定に関与することも明らかにしました。雌雄の協調と軋轢を生み出す分子・細胞機構解明の一里塚となる成果です。

 

出典:Sakurai, A., Koganezawa, M., Yasunaga, K., Emoto, K. and Yamamoto, D. (2013) Select interneuron clusters determine female sexual receptivity in Drosophila. Nature Commun. 4:1825 DOI: 10.1038/ncomms2837

A. Sakurai GRAPHICAL ABSTRACT.jpg

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山元班の研究成果が高等学校副教材に採用されました

第一学習社が出版する高等学校生物の副教材、『スクエア 最新図説生物』に、山元らが長年にわたり追求してきたキイロショウジョウバエのfruitless (satori) 突然変異体の研究が採用されました。2013310日発行の上掲書の222ページ、"17 生得的行動と遺伝子"の項目で"2 遺伝子に支配される性行動"として掲載されています。fruitless突然変異体の雄が示す同性間求愛と、mAL介在ニューロンの形態的性差を示した二葉の写真は、山元と小金澤雅之准教授の提供によるものです。今回の『スクエア 最新図説生物』掲載により、高等学校生物の副教材や教師用資料としての採択は3社となり、本研究の社会的認知が一層進むものと思われます。


スクエア最新図説生物.jpg

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『高等学校生物指導資料』に研究を紹介しました

 高等学校の生物指導題材として、山元班が取り組んできたキイロショウジョウバエ性行動の遺伝子制御の研究が注目されています。今回、2013年版生物教師用指導書の補充資料(東京書籍;ISBN978-4-487-27630-1)に、山元が「ショウジョウバエの性行動を生み出すフルートレス遺伝子」と題する紹介記事を執筆し、指導用DVD-ROMに収められました。この記事は"4編 生物と環境応答"に含まれており、遺伝子が日常的な生物の活動に果たす役割を生徒に伝える手がかりとなることが期待されます。サトリ突然変異体を中心とした山元らの研究は、すでに2008年に実教出版の高等学校生物指導書である『増補四訂版サイエンスビュー 生物総合資料 生物III 理科総合 対応』に掲載されており、今後も教材としての活用が広がっていくものと思われます。

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アウトリーチ活動

20121215日、総合研究大学院大学 学融合推進センターが主催し同学の大学院生が運営する「社会への発信プロジェクト」であるサイエンスカフェで山元が講演を行った。聴衆は東京の様々な大学に掲示したポスターを見てやってきた主に学生たち。テーマは、「レンアイをカガクする Shibuya de Science?」。渋谷のビルの10階で、「フェロモン・脳・遺伝子--異性を好きになるわけ―」と題して1時間余り講演し、その後質疑を行った。会場で初めて顔を合わせた者同士がにぎやかに議論をかわし、笑い声にあふれる会場の様子に元気をもらって帰ってきた。

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山元班の実験プロトコルが本に掲載されました

山元班のメンバーが執筆したプロトコル解説が、Neuromethodsと題するSpringer Humana Pressのシリーズ本72巻のうちの一章として出版されました。この本のタイトルは"Genetically Encoded Functional Indicators"、編者はフランスCNRSJean-René Martin博士で、主としてショウジョウバエの脳神経系を対象に、各種のイメージング手法を集約した内容となっています。山元班の古波津創、小金澤雅之、山元大輔は第6章 "in vivo optical recording of brain interneuron activities from a Drosophila male on a treadmill"を担当しています。ショウジョウバエを細いワイヤーにつなぎ、脚に発泡スチロールの球を持たせてその上を位置の移動なしに歩かせるというシステムを用い、行動中の個体から脳のニューロン活動をCa2+イメージングにより記録する画期的手法のプロトコルが紹介されています。

 

出典: Kohatsu, S., Koganezawa, M., and Yamamoto, D. (2012) in vivo optical recording of brain interneuron activities from a Drosophila male on a treadmill, p.103-112, In Genetically encoded functional indicators, Ed. Martin, J.-R.,169pp, Springer: New York.

SSN 0893-2336 ISSN 1940-6045 (electronic) ISBN 978-1-62703-013-7 ISBN 978-1-62703-014-4 (eBook) DOI 10.1007/978-1-62703-014-4

Springer.pdf


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