文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
アウトリーチ/広報
出典:公明新聞、2014年10月27日発行、4面読書欄。
図:掲載された書評記事
広報/アウトリーチ
2014年9月25日、山元はドイツのミュンヘンにあるLudwig Maximilian
Universityにて、"Molecular neuroethology of Drosophila courtship: from the gene to
behavior"と題する招待講演を行いました。同日、米国Janelia Farm Research CampusのUlrike Heberlein博士も同大学で"酔っぱらいのハエ"について講演し、ショウジョウバエ行動遺伝学への関心の高まりが実感されました。ミュンヘン市内はおりしもオクトーバーフェストのにぎわいのまっただ中にありました。
研究成果
ショウジョウバエも種によって求愛の仕方は異なります。たとえば、雄が雌に正面から求愛するDrosophila subobscuraという種もいれば、雄が雌の後に回って求愛するD. melanogaster(キイロショウジョウバエ)もいます。キイロショウジョウバエの雄から嗅覚と視覚のどちらか一方を剥奪しても雌の後に回って求愛することにかわりはありません。嗅覚と視覚の両方を取り除いて初めて"前後の見境なく"雌に求愛するようになりました。雄が雌の頭とお尻を区別する際に使っている嗅覚的・視覚的手がかりは何なのか、興味ある課題です。本論文は、北海道教育大学の木村賢一教授のグループと山元の共同研究の成果です。
出典:Kimura, K-i., Sato, C., Yamamoto, K. and Yamamoto, D. (2014) Journal
of Neurogenetics (in press).
図:求愛のため片翅を震わせるキイロショウジョウバエの雄(佐藤耕世による)
広報/アウトリーチ
山元は、子育てマガジン『AERA With Baby』の"目覚めよ、パパの本能!"に登場し、「産後夫婦のセックスレスは誰のせい?」との質問に、行動遺伝学の立場から答えています。
出典:AERA with Baby No. 38, p. 124-125, 2014年10月15日発行、朝日新聞出版
図:掲載号の表紙。
研究成果 佐藤耕世と山元は、Advances in Geneticsの86巻に総説を発表しました。キイロショウジョウバエの性決定因子、Fruitlessの機能が低下すると、一個一個のニューロンは「完全に雄型」か「完全に雌型」の形質を示しつつ、前者が減り後者が増えるという現象にヒントを得、fruitless遺伝子の異なるプロモーター間のpositive feedback仮説を提唱しました。今後の検証が期待されます。 出典:Sato, K.
and Yamamoto, D. (2014) An epigenetic switch of the
brain sex as a basis of gendered behavior in Drosophila. Adv. Genet. 86, 46-63.
図:当該のChapterの見出し