東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

FESPB2008(ヨーロッパの植物生理学会)に参加してきました

2008年9月 1日 (月)

皆様、こんにちは。岩手大学の21世紀COEプログラムで研究員として採用されている風間です。8月17日から8月22日まで、フィンランド・タンペレで開催されていたFESPB2008(ヨーロッパの植物生理学会)に参加してきました。
 まず、タンペレという都市ですが、フィンランドでは第三の規模の都市だそうです。ただ、そんなに大規模な感じはしなくて、こじんまりとした都市でした。観光都市というよりか、工業都市のようです。ただ、街中にはムーミン(フィンランド生まれのキャラクター)に関する博物館もあるようです(残念ながら、僕は行けませんでした。。。)。
 学会自体は、生理学会というだけあってストレス関係・病理関係・ホルモン関係を題材にした研究がやはり多かったです。実際に演題数を比較したわけではないので、分からないのですが、日本の植物生理学会より規模は少し小さな感じを受けました。
また、レクチャーを受けていると、バイオ燃料と食料不足の問題を解決するための農学的な研究がさまざまな視点から行われているのを感じることができました。エネルギーと食料は、生きていく上でなくてはならないものなので、その二つの問題に対する自分なりの考えを探りながら研究を進めていかなくてはいかないのでしょう。
 写真は、学会が行われたタンペレホールと、学会最終日の昼食です。フィンランドでは、お肉料理に写真のようにベリーのジャムを付けあわせるそうです。最後の写真は、マーケットでの風景。色とりどりの野菜・ベリー・キノコが山のように並んでいます。

風間

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19th International Conference on Arabidopsis Research参加中

2008年7月26日 (土)

皆さんこんにちは。PD諏訪部です。
水曜日から始まった19th International Conference on Arabidopsis Research(シロイヌナズナ国際学会)への参加のために、カナダ・モントリオールに来ています。今回はM2五十川さんとPD諏訪部の2名での参加です。今回の学会はシロイヌナズナに焦点を絞ったものですが、研究分野は遺伝学・分子生物学・生化学・生態学・進化学など様々で、毎日たくさんの発表があります。

シロイヌナズナはペンペン草に似た雑草ですが、植物研究ではモデル植物として世界中で使われています。僕たちが研究に使っているアブラナとは同じ科(family)に属しており、進化分類的にとても近縁な種です。今回は、そのシロイヌナズナ研究の世界情勢を確認することと、今後の学会発表に向けての調査を主な目的に参加しています。もちろん2人ともアブラナ研究の発表もします。
さすがモデル植物だけあり、研究の進捗スピードは目を見張るものがあります。例えば、遺伝子発現を制御する小さなRNA(small RNAと呼びます)は、その存在自身が数年前に明らかになったばかりですが、それによって植物の成長ステージや病害抵抗性がコントロールされていることが分かってきました。もちろん、これらはその道のトップグループの成果です。しかし、僕たちの研究室でもD1藤岡君がイネのsmall RNA研究を行っています。彼らのスピードに負けないように頑張りたいですね。うまく研究が進めば世界のトップグループの仲間入り!?かもしれません。
もう1つ驚いたことは、新たな学問分野がどんどん生み出されていることです。シロイヌナズナのゲノム情報は2000年にすべて解読されましたが、その情報を効率的に使ったchemical genetics(化学遺伝学とでもいうのでしょうか?)やEco/Evo genomics(生態・進化ゲノム学??)なる学問が生まれてきています。これらを、いかに自分たちの研究に融合し効率的に研究を進めるかがこれからのポイントなのかもしれません。多くの発表は最後に関係した研究者を紹介しますが、どのグループも大勢で多国籍です。現在、僕たちも国内外のいろんな方達とコラボしていますが、もっと研究フィールドを拡大して、いろんな角度から研究を展開しないといけないなと思いました。

もちろん現地調査(別名:観光)も忘れていません(笑)。1月のUCサンディエゴ・アメリカアカデミズムツアーに続き、McGill大学・カナダアカデミズムツアーを開催しました。モントリオールはフランス文化を踏襲したとても美しい街ですが、McGill大学はイギリス人James McGillの遺産によって1821年に設立された大学とのことです。街の中心(City Centre)にあり、歴史を感じる建物に囲まれた素敵なキャンパスは、人々の憩いの場所にもなっているようです。その中でも、考古学や生態学のラボが維持管理しているレッドパス博物館は素晴らしく、エジプトのミイラや恐竜の骨格標本などが展示してあります。化石・骨格標本マニアの五十川さんと諏訪部にとってはたまらない場所でした。日本では日常生活からかけ離れた研究という世界が、ここモントリオールでは日常生活に溶け込んでいます。日本の大学もこういうスタイルになるといいですね。
食べ物もとてもおいしく、毎日2人で食べ歩いています。昨日は90年近い歴史をもつベーグル屋まで地下鉄に乗って行ってきました。途中で道に迷い、現地の方の暖かさにも触れました(涙)。写真は今日のランチ、フライドポテトにチーズとグレービーソースをかけたもの。これもまた最高です。

だいぶ長くなりました。まだまだ書きたいことがありますが、これから五十川さんのポスターセッションがあるので、この辺で終わりにします。五十川さんにとっては初めての国際学会発表なので、きっとドキドキしていると思います。こっそり彼女の勇姿を見てきます。

今日で学会も中間地点です。残り2日、学会・観光に飛び回って自分たちの研究へのパワーを蓄えてこようと思います。

諏訪部

ついしん:
写真をクリックすると、大きく拡大して見られます。

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第5回東北大学 バイオサイエンスシンポジウム

2008年5月21日 (水)

こんにちは。COE研究員の風間です。先日(5/19)、仙台国際センターで開催された「第5回東北大学 バイオサイエンスシンポジウム」に参加して参りました。今回、渡辺グループからは、Parkさん(PD)、藤岡君(D1)と、僕の参加でした。このシンポジウムは、毎年一回東北大学の中で、バイオサイエンスに関わっている人々が、参加して研究内容の発表を行うものです。ポスターを見て回ると、医学系、薬学系のみならず、化学系や工学系などからも多くの参加があり、植物を扱っている僕たちの方が、マイノリティーな感じがします。ただ、普段の学会などでは見ることのできない動物のポスターなどが多く、勉強になります。今回、僕が面白いと思った発表は、多元研の石島先生の「生体分子モーター,リニア・回転モーターの1分子計測」でした。生体分子(例えば、大腸菌のベン毛を動かすモーター)の一分子での動きを直接測定し、その動力メカニズムを明らかにすると、いう研究です。このような研究は、人間が作り上げて使っている現在のモーターを、より良いものに変化させていく技術革新の可能性を含んでいると思います。生物から学んで、活かしていくことで、エネルギーの問題などを解決できるといいなぁと、夢が広がる話題でした。

風間

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2008植物生理学会参加

2008年4月 8日 (火)

更新が遅くなりましたが、3月20日より3日、札幌で開催された植物生理学会年会に参加して参りました。参加者は、渡辺・高田・パク・風間・藤岡 以上4名。高田・パク・藤岡はポスター発表、風間はシンポジウムでの発表でした。私は植物生理学会への参加は初めてだったため、少し緊張しながらの参加でしたが、学会自体の活性が非常に高い学会であり、多くの有名な先生方もお見かけすることができ、終日楽しめました。口頭発表では、セッションごとにかなり雰囲気が違っていて、それもまた参加していて楽しかったです。来年度の年会には、私も是非口頭で発表できるよう、実験を頑張ります。
 また、夕食時には知り合いの先生や、学生時代の後輩などとともに、互いの近況や研究について語り、非常に有意義な時間を過ごして参りました。生理学会の感想を書くようにとの依頼でしたが、どこまで書いたらいいのか不安ですので、ここらで終わりにします。

たかだ

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国際学会Plant & Animal Genome XVI参戦中!

2008年1月15日 (火)

皆さんこんばんは。

ただ今、国際学会Plant & Animal Genome XVIの参加発表に、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴに来ています。この学会は、'ゲノム'をキーワードに遺伝学(Genetics)やゲノム学(Genomics)を研究している人たちが世界各地から集まる大きな学会で、サンディエゴ東部のリゾートホテルを貸し切って行われています。おしゃれプールなどもありますよ(アジア人は似合いませんが・・・)。

今回は、M2藤岡君、M1金子さん、PD諏訪部の3人で参加しています。
こちらは今、月曜日の夜11時を過ぎたところです。今日で学会もちょうど中間地点ですが、前半2日でかなりの成果が得られ、3人とも少し興奮気味です。
 藤岡君は、彼の研究テーマであるSmall RNA(遺伝子発現をコントロールするRNA)についてのセッションやポスター発表に参加し、たくさんの知識や情報を集めています。それと同時に、この分野がどれだけホットなテーマなのかを実感したようです。
 金子さんは、マイクロアレイ(どの遺伝子がいつ・どこで・どれくらい発現しているかを網羅的に解析する方法)について情報収集し、彼女のテーマに一番フィットする方法を探索しています。とてもデリケートな解析手法なので、ここをきっちり押さえないといけません。
 諏訪部は、アブラナ科ゲノム国際コンソーシアムの会合参加やイギリス時代のボスとのミーティングを行い、研究の現状と今後の動向について調査しています。

今朝は、ケンブリッジ大学のD. Baulcombe教授によるSmall RNAメカニズムについての特別講演があり、爆発的なスピードで進んでいる彼の研究成果についてreal timeで知ることができました。これはとてもすばらしい発表で、凄くいい刺激を受けました。
 午後からはポスターセッションがあり、藤岡君・金子さんは初めての国際学会発表ながらかなり奮闘していました。周りから見ていてとても立派でしたよ!

その他にも、昨日午後には共同研究者の東京大・矢野先生とミーティング、夜はソーク研・矢崎さんとの日本食を交えながらのディスカッション等、密度の濃い時間を過ごしています。こんな凄い方達と長い時間お話できるのも、国際学会のいいところかもしれません。渡辺先生の研究ネットワークの広さにも驚かされます。

学会参加といってもたまには息抜きも必要ということで(毎日巨大ハンバーガーではさすがにきついです・・・)、今日の昼食は会場からトラムで2駅のメキシコ料理屋に行ってきました。さすがメキシコ国境の町だけあって、日本で食べるものとは一味違います。諏訪部のイギリス時代の友人も一緒に行ったおかげで、スペイン語翻訳は完璧でした。

明日は最後の大きなひと山のセッションが朝10時からあります。このセッションは、今後の渡辺研の大きなキーポイントになる可能性を秘めているので、3人で気合いを入れて聞いてこようと思っています。これが終われば後は細かい情報収集だけなので、UCサンディエゴ訪問(アメリカアカデミズム体験ツアー)やConference Dinnerなどを織り交ぜながら今後につながる「何か」を見つけてきたいと思っています。

諏訪部

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