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【遺伝研】北野班の記事を表示しています

国立遺伝学研究所の生態遺伝学研究室の吉田恒太研究員が、遺伝学普及会の海外渡航助成を獲得し、8/19-24にリスボン大学で開催されたヨーロッパ進化学会(ESEB2013)でポスター発表を行いました。ESEB2013では、「Testing the link between heterochromatin evolution and speciation in sticklebacks」というタイトルで、ゲノム遺伝子相関の北野班の課題である異種トゲウオ間の雑種異常の分子機構に関する最新知見をポスター発表し、有意義なフィードバックを得ました。

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国立遺伝学研究所の石川麻乃研究員が若手口頭発表最優秀賞を受賞

国立遺伝学研究所の生態遺伝学研究室(北野研究室)の石川麻乃研究員(日本学術振興会特別研究員PD)が、日本進化学会第15回大会にて若手口頭発表の最優秀賞を受賞しました。石川研究員は、8月28日-31日に筑波大学で開催された日本進化学会第15回大会にて、研究課題の一つである「イトヨにおける異なる日長応答性の進化とその遺伝基盤」について口頭発表を行い、最優秀賞を受賞しました。


(写真)前列中央が石川研究員。研究材料のイトヨを採りに行った北海道の厚岸にて共同研究者たちと一緒に。
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2013年9月19日から21日に慶應義塾大学日吉キャンパスでおこなれる日本遺伝学会第85回大会にて、新学術領域「ゲノム遺伝子相関」共催 シンポジウム "ミクロ進化とマクロ進化のギャップをどう埋めるのか" が開催されます。

9月19日(木)14:45-18:30 
世話人:田中幹子(東工大)、北野潤(遺伝研)、岡田典弘(東工大)
S1-1 発生とゲノムと化石から見たカメの起源
倉谷滋(理研CDB)
S1-2 親指形成システムの起源ー鰭から四肢へと形態を進化させた発生プログラムの変化ー
田中幹子、鬼丸洸(東工大)
S1-3 SINE が関与した哺乳類のミクロ進化とマクロ進化
西原秀典1、岡田典弘1,2,3(1東工大、2成功大、3国際科学振興財団)
S1-4 脊椎動物ボディプラン進化における遺伝子重複によるシス転写調節機構新機能獲得進化の可能性
隅山健太(遺伝研)
S1-5 ベイツ型擬態を分子から解く
藤原晴彦1、西川英輝1、飯島拓郎1、堀寛2、安藤俊哉1、伊藤武彦3、梶谷嶺3(1東大、2名大、3東工大)
S1-6 シクリッドの適応放散、平行進化に関わる遺伝的基盤とそのメカニズム
二階堂雅人、近藤梓、工藤優、鈴木彦有、岡田典弘(東工大)
S1-7 トゲウオにおけるミクロレベルでの表現型多様化とマクロレベルでの種分化の遺伝機構
北野潤(遺伝研)

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総説がJ Applied Ecologyに出版されました。

人為的であれ自然であれ、環境の変化に対して、どのように生態系の機能を保つかというのは、生態系から大きな恩恵を得ている我々人間社会にとって重要な課題です。本総説内で北野は、生物の進化研究の重要性に関する部分を執筆担当しました。

ゲノム遺伝子相関領域では、近縁種間や多種間等の様々な相関現象を扱います。従って、ゲノム遺伝子相関の成果は、広い意味で生物多様性の維持や生態系マネージメントに役立つことを日々期待しております。

Tomimatsu et al. (2013). Sustaining ecosystem functions in a changing world: a call for an integrated approach. J Applied Ecol. in press

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1365-2664.12116/pdf

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トミヨ隠蔽種間における生態的分化とその遺伝基盤の一端を解明

トゲウオ科魚類は、生息場所によって外見や行動が種間や集団間で大きく異なっていることから、現在、このトゲウオの持つ「多様性」が大きく注目されており、生態学や進化生物学の最前線のモデル生物として世界中で活発に研究されています。今回、北野班では、石川麻乃研究員(学術振興会)を中心に、北海道東部に生息するトミヨ隠蔽種(外見が似ていて容易に区分できない種)について、隠蔽種間の生殖的隔離、生態的分化、生理的分化等について解析を行いました。

エゾトミヨ、淡水トミヨ、汽水トミヨの隠蔽3種は遺伝的に明らかに異なっており、同所生息域でも淡水トミヨと汽水トミヨ間の雑種のみがごく稀に採集される程度でした。これら3種は河川の上流から下流にかけて生息域をうまく住み分けて共存しており、摂餌器官や浸透圧耐性能も大きく異ななっていました。一方で、鱗板(体の側面の骨化組織)の変異は、単純な上流-下流勾配にそった変異はみられず、また、その遺伝基盤は近縁のイトヨ属とは異なる遺伝子で決定されていることが明らかになりました。イトヨ属では、Eda遺伝子が鱗板をコントロールしていることが既に知られていますが、トミヨ属ではEda遺伝型と鱗板表現型に相関は見られませんでした。

これらの成果は、トミヨ属とイトヨ属の表現型進化の遺伝基盤が異なっていることを示しており、トミヨ属は、表現型進化の遺伝基盤の一般性を理解するためにイトヨと並び貴重な研究材料となることが示されました。

これらの成果は、ヨーロッパの進化学会誌Journal of Evolutionary Biologyに発表されました。

Ishikawa, A., Takeuchi, N., Kusakabe, M., Kume, M., Mori, S., Takahashi, H., and Kitano, J. (2013)
DOI: 10.1111/jeb.12146

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