東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】石川県立小松高等学校・NSH成果発表会・コメンテーター(1/28)

2014年1月29日 (水)

 芦城小学校での出前講義からもどってきたところで、小松高校に来たときからアナウンスされていたNSH成果発表会。文系版SSHのグループ研究のポスター発表。前日に発表会のレジメを頂いていたので、楽しみであったのですが、時間の関係でいくつかのポスターを見て、発表を聞くくらいしかできなかったのですが。。。英語、国語、地歴公民という形で、8枚のポスターが。国語の古典、英語は発表も英語、地歴公民は時事問題のようなことが多く、いずれも楽しめました。

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DSCN1538.JPG 文理融合と言うことを最近話しとしてはするのですが、こうした形での発表会は、ちょうど2年前の同じSSHを実施している金光学園中学高等学校でのポスター発表を拝見して以来のような。文系の発表としては、今回が初めての試みとか。途中から拝見したのもあったのですが、A0のポスターに書いてある文字が、もう少し大きくても、と言う気がしました。一方で、紙芝居のようなものをつくって、わかりやすい発表をしているのもよく工夫されていました。もう少し拝見する時間があればと思った次第でした。

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 さらなる発展を祈念しつつ。。。


 わたなべ拝

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【出前講義】石川県立小松高等学校・生物部「レインボーフラワー」研究指導(1/26-28)

2014年1月29日 (水)

 日曜日の小学生向け公開講座月曜日の課題研究についての講義、火曜日のこのあとに記す文系版SSHのような発表会のあとに、生物部で錦江湾高校のコアSSHの研究も兼ねている「レインボーフラワー」の状況について、あれこれとコメント等。

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DSCN1472.JPG 今の3年生の世代からくらいでしょうか。こちらに来ることが多くなり、その時に、ポスター、プレゼンなどの作成から、実験の方向性、dataの解釈など。こちらも純粋に不思議と思えることをコメントできること、また、いつもlabでの研究であれば、このあと、これで論文になるかなど、プレッシャーが。。。そんなのもないからでしょうか。比較的free talkができるので。。。実験の細かなことについては、生物部の秘伝と言うこともあるので、ここではかけないですが。。。よく考えて、しっかり実行力があるのは、たいしたものと。。。着実に発展していると思って、見ています。これからもがんばってください。もちろん、いつでもmailでの質問など、welcomeですので。。

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 わたなべしるす

 PS. 日曜日の小学生向けの公開講座の時に、弟妹さんのサポートできていた小松高校の1年生。他の部活をしているようだったのですが、キャベツの分解をして、生物部の活動に興味を持ち、生物部での活動もやると言うことに。世の中、不思議に出ているものだと。。。今度は、鹿児島のコアSSHでまた、しっかり発表するのを楽しみにして。



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【出前講義】小松市立芦城小学校・特別講義「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」(1/28)

2014年1月28日 (火)

 午前中の中海小学校に続いて、午後は小松高校から5minくらいの距離にあるすぐ近くの芦城小学校。古い町並みが校区という、仙台であればどこになるのか。。。木町通小学校当たりでしょうか。片平丁小学校あたりか。今治で言えば、今治小学校、日吉小学校、常盤小学校当たりになるかと。。。他の町は、なかなかわかりませんので。芦城小学校も秋に続いて。秋には5年生対象にリンゴをモデルとした受粉と自家不和合性の話でした。今回は、4年生向けに「ヘチマの仲間」ということで、「ウリ科のいろいろな話」。午前中の中海小学校と同じ話の内容でしたが、学年が少し違ったり、と言うこともあって。また、日曜日の小学生向けの「キャベツとブロッコリーの解剖してみよう」という公開講座に来てくれていた子供たちも。うれしい限りです。

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DSCN1503.JPG さて、講義の流れは、午前中の中海小学校と同じ。最初に「へちま」の育ち方。種子から育てたのを覚えていました。そのあとは、キュウリ、カボチャの観察。キュウリ、カボチャの中がいくつかの部屋に分かれているというのを、実物で見てもらって。また、「メロン」の写真から、大きく見ると、3つの部屋に分かれて種子が育っている。さらに、そうした3つの部屋に分かれているようにわかるように切るのは、キュウリくらいと言うことも実感として。

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DSCN1518.JPG では、なぜ、そんなことになったのかと言うことについて。。。少し歴史の話しを交えて。。。へーーーーという内容だったようです。さらに、メロンを見たときに、メロンの表面には模様がある訳ですが、あれがなぜできるのか。。。実は表面が破れてそれを修理したあとだと。。。また、メロンのつるというか、茎がTの形になっているのは、なぜかと言うことも。茎の両側を切ればと言うことを明確にいってくれた方がいたのは、びっくりでした。また、メロンというのは、日本語。melonというと英語。では、植物をやっている研究者が誰でもわかるのが、学名。それは、ちょうど、名字と名前のようなもの。Cucumis melo。というような小学校では勉強しないようなことも。おうちに帰って、野菜を見たときに、これまでとは違ったように見えるのではないでしょうか。

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DSCN1531.JPG 最後は、質問コーナー。1人だけだったかと。でも、鋭い質問でした。植物には種子があるけど、種子の前は、何だったのか。。。植物生殖遺伝という研究室なので、まさに、ぴったりの質問ですが。。。動物と同じように、卵(らん)細胞と精細胞が一緒になって、受精卵、胚ができると。。。卵、たまご、と言われた瞬間に、ニワトリのたまごをイメージしたようで、「えええーーーー!!!」と言う声が。でも、ちゃんと説明したら、なるほどと、わかってくれたようでした。実際には、中学校3年生で習うことのようですが、少しはやい学習だったですが。覚えていてくださいね。。。

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DSCN1537.JPG 講義のあとには、4年生の担任の先生と校長先生を交えて、今日の講義のことがこれからの観察などのきっかけになってほしいと。また、次年度以降も講義を継続してほしいと。。。ありがたいお話しでした。これからもよろしくお願いします。また、今日は、ありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。


 わたなべ拝

 PS. 校長室には、この小学校の名前がついた星が認定されていると。。。びっくりでした。

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【出前講義】小松市立中海小学校・特別講義「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」(1/28)

2014年1月28日 (火)

 昨日が加賀市内小松市内。今日は小松市内の2つの小学校。1つは山沿いで今年度3回目の中海小学校が午前中。小松市内には雪がないのに中海小学校の周りには屋根に少し雪があったり。。。ただ、今年はかなり雪が少ないようで。。。先生方も今年の雪はどうなっているのかと、心配されていました。2月以降、かなり雪が降るのではと。。。。さすが日本海側、数日であっという間に積もるそうなので。。。いつもように手書きのwelcome boardが。ありがたいことです。今日もとてもniceでした。中海小学校の直前のところで、ぼやけたというか、雲に隠れた白山とその山並みが。。

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DSCN1476.JPG これまでの2回は、キャベツとブロッコリーの講義リンゴをモデルにした受粉、自家不和合性の話でした。そんなこともあって、5年生ですが、「へちまのなかま」、つまり、ウリ科の話を。この講義は4年生を想定していて、「へちま」が成熟した頃にやるというのが通常。なので、ヘチマの育ち方の復習から。。。子葉、本葉、つるが出るなど、1年半くらい前なので、意外と忘れていたり。。。。それでも一通り、思い出してくれて。

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DSCN1480.JPG で、このへちまの仲間は。。。と言うときに、一番前の児童の方から「ウリ科」と言う声が。よく知っていますね。感動でした。で、ここからいつものように、「キュウリ」、「スイカ」、「カボチャ」、「メロン」、「ゴーヤ」の果実、果実を切ったところ、雌花、子葉の形態、種子などがそれぞれどれに対応するかを、クイズ形式で。わかりやすい果実のようなものもあれば。そうでない、種子、子葉のような例も。。。また、果実を輪切りにしたときに、よく似た形態が見えるので、キュウリとカボチャの解剖。さすがに、カボチャの横断面というのは、かなり難しいと。。。堅いこと、この上ない。。。また、似ているものは、名前も似ていると言うことで、二名法の話しも。さらに、メロンにTのつるというか、茎が残っているものとそうでないもの。その理由は。。。ということも。同じ講義が、昼から芦城小学校であったので。そのあたりは、また、このあとの記事で。。。

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DSCN1493.JPG ということで、あっという間の2コマでした。この学年は、3回の講義。とても印象的でした。で、最後はいつものように世界に向けて情報発信。それから、最後だと言うからでしょうか。久しぶりにサイン会に。。。担任の木下先生をはじめ、関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、次年度以降も、よい連携ができればと思います。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. 今日も昨日とは違うversionのwelcome boardが朝から玄関に。。ありがとうございました。うれしい限りです。

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 PS.のPS. 昨日のSSHの講義に続いて、石川県立大学生物資源工学研究所の中谷内先生が中海小学校の出前講義も見学され。。。「高校生向けの講義とは、違うのですね。。」と。。。まだ、なかなかバランスは、難しいと思っているのですが。。。ありがとうございました。



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【出前講義】石川県立小松高等学校・SSH特別講義「SSH課題研究を始めるに当たって---高校でのSSH, 課題研究が大学、大学院での研究につながる。。。---」(1/27)

2014年1月27日 (月)

 午前の橋立中学校での出前講義に続いて、午後からは小松高等学校・SSH特別講義。課題研究はSSH活動の中でも重要なポイント。例年であれば、テーマの決定は2年生の4月になってからと言うのが通例だったそうですが。。。今年から1年生のこの時期からテーマを決めると言うことで、4/17に1, 2年生合同で、「SSH課題研究を始めるに当たって」と言うことで講義をしましたが、1年生は入学して間もない頃。現実感がない頃だったかもしれないと言うこと、また、今年度から「課題を発見する力」の養成と言うことで、従来の教員側からの「研究テーマ」から生徒さんからも「テーマを提案する」と言うことも可能にしたとか。ただ、実際にそれを実現しようとすると難しと言うこともあって。

DSCN1446.JPG では、大学教員から見たときにSSHの課題研究はなぜ行うのか。と言うことから、話し始め。。。課題研究はなぜ行うのか、と言うことを生徒さんに伺う と、それぞれしっかりした考えを持っていたのは、さすがでした。では、渡辺自身はなぜ、そんなことを今するようになったのかと言うことについて、渡辺の高 校時代と比較して。。。一番大きな違いは、数学の問題集ではないかと。昔 は数研出版の湘南カラーの緑とオレンジの問題とそれを出題した大学、年次、それと大事なことは、答えが数字だけしかないという問題集。つまり、問題から答 えに至る過程は、自分で好きな参考書を使って、あるいは、授業で習った先生の解き方の好きなパターンを使って、最低限のことのみ覚えて、のこりは自分で必 要に応じて、公式は作る。そうでないと、記憶力は他の科目でも必要になる訳で。。。メモリはすぐにパンクします。そんな数学で考えると言うことが それなりにあったような。ところが、今は、参考書と言うより、解答例も公開されているとか。。。それでは、自分のコンセプトというか、自分の考えに合うよ うなものを探すというのは、考える力を養うという意味では、とても大事だったのでは。では、もちろん、数学の問題をそうすればよいのかもしれないですが、 「ゆとり教育」の反動が始まったところというか、ゆとりでなくしたことに意味があったと言うことが言われるようになった現状では、この課題研究というの は、大事なポイントではないかと。。。

DSCN1452.JPG 次に、課題発見能力とは。。。どこに問題があって、どこに違いがあってと言うのを見つけること。これは実際に大学で実験、研究をしていても、難しい問題。で、こちらが用意したのは、プリムラの花。プリムラは、異形花型自家不和合性で この時期に花が手に入りやすいもの。そこで、pinという雌しべの高さが高いもの、thrumというおしべの高さが高いものを用意。色もそろえたかったの ですが、そうしたものがなかったことで。ピンクと赤という色違い。そのはち植えを見てもらい、なにが違うのか。もちろん、花の色、葉っぱの形、開花数な ど、ぱっと見違うものは最初の生徒さんで気がつきました。ところが、花の中心部まで気にかける生徒さんは、半分を過ぎないと気がつかず。ただ、気がついた 生とさんがいたのは感動でした。思わず、拍手で。。で、せっかくなので、雄花、雌花という訳ではないことを実際の花をさばいて。。。さすがにびっくりのよ うでした。こうしたちょっとした違いに気がつくことが、問題を見つける力。自分が学部生で実験を始めた頃は、提案された卒論のテーマを達成するだけで精一 杯。教授の提案を越えることを始めたのは、実験を始めて数年-10年上たってから。。。もちろん、今の時期に問題を発見できる、不思議に思う生徒さんもいるでしょう が。。。そうしたことを踏まえて、テーマを与えられても、その中で、どの様に実験するかという細かなことで、結果は微妙に違うもの。もちろん、生物系でそ うしたことは多いのかもしれないですが。。。それを踏まえて、課題を解決する能力を養うだけでも十分だと。。。

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DSCN1460.JPG そのあとは、4月に話したような内容。 きちんと記録をつけるとか、グループで実験をするので、課題研究の時間の最後には、まとめの時間をとるとか。実験の方法と結果などは、毎回まとめることが できると言うこと。それから、最初のテーマ、目的に引きずられることなく、最後にまとめをすること。つまり、出てきたdataを解釈して、結論を導き、そ れにあうタイトル、イントロを書くと言うことなどなど。まだ、課題研究としてなにをするかということを始めようとしたばかり。ぜひ、今回の講義を、あるい は、4月の講義を思い出して、課題研究の時間を有意義に過ごしてもらえればと。。。

DSCN1466.JPG 講義の設定、運営などはSSH担当の寺岸先生にお世話になりました。ありがとうございました。よりよい課題研究が進んでいくのではと思っております。


 わたなべ拝

 PS. 講義のあとに、生物部の方々と議論をしたり、実験を拝見したりと言うことがありましたが、そのことについては、また、改めて、明日にでも。。。

 PS.のPS. この講義と明日の小学校への出前講義に石川県立大学生物資源工学研究所の中谷内先生が見学にいらしてくれました。以前にもSSHの発表会などでお会いしていたのですが、こうした形で意見交換などができたのは、何よりでした。今後ともよろしくお願いいたします。


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