東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】平成25年度FSC(ふくしまサイエンススクールコミュニティー)生徒交流会・コメンテーター、その2(2/2)

2014年2月 2日 (日)

 昨日は晴れていて奥羽山脈の山並みも見えたような。。。一転、日曜は曇り。ただ、この時期に、福島市内でも雪がないというのは珍しいのではないかなと。福島県で中通り、会津は雪があるというイメージなので。。。昨日に続いてのFSC生徒交流会。昨日はポスター発表、考える「割り箸と輪ゴム」、最後は、物理・化学・生物・地学の各分野から発表など。バットの重さが盛り上がったのは、こちらとしては楽しめましたが、進行をされている先生方には、ひやひやものだったのでは。。。

DSCN1626.JPG 2日目の午前は口頭発表。朝1の発表は「土壌から放出されるガンマ線」。。。2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発でCsをはじめとする多くの放射性物質が放出されたものを自作の検出器で134Csという半減期が短い(2年くらい)ものを測定。確かに減衰しているのを計算していたのは、感動でした。ただ、各点の計測が1回というのは、実験としては。。。数回測定して、平均、分散を求めるとずいぶんと異なるのではと。。。数学では「数学の森」というたしか、数学者が企画しているアウトリーチ活動で、出題された問題。出てきた数字は、とても数学的に「美しい」と思える数字だったのですが、なぜ、その数字なのか。。。それがよくわからなかったです。だから、数学なのだろうと。。。Carpanoneというフェノール性物質を安価なものから、全合成すると。で、このプレゼンが「英語」で。。。半月ほど前に、サンジエゴで自分がやったプレゼンより、はるかにexcellentでした。。。。自分の年齢の1/3くらいの高校生が。。。さすがでした。また、質疑も英語で。。むかし、豪州で渡辺が英語でのプレゼンをしたときに、英国人研究者に自分は日本語ではプレゼンできないので、日本人が英語でプレゼンをするというのは。。。。と言われてことを思い出しました。後半には、人工気象器でハツカダイコンの生育、津波ハザードマップの作製というのも、先の震災の影響を受けているのだと思うと。。。3/11を思い出さない訳にはいかず、なんともいえない。。。そんな気持ちでした。体細胞分裂と生物時計の関係。渡辺はどうも時計は苦手で。。。ただ、もう少し工夫ができたのでは。最後は、英国との交流についての英語でのプレゼン。。。この最後には、「花は咲く」の音楽演奏が。。。。まだまだ、震災は終わってないのだというか、忘れてはいけないのだと。。。そんな思いを強く感じさせてくれるというか、それを考えないといけない、そんなプレゼンだったと。。。ありがとうございました(ここの最後に桜が咲いているスライドがあったのですが、とるのも忘れるくらい、心にしみる音楽でした。。。。。)。プレゼンの最後には、表彰式。ポスタープレゼンテーションと割り箸の問題。プレゼンの第1位は「白銀比」。表彰をされた小林教頭先生から、発想はおもしろいので、今後の発展を期待してと。。。割り箸の長さは、115cm。同じく科学の総合力が評価されたのだと。。。確かにそうだなと。。。

DSCN1616.JPG 一方、発表を見ていて、原稿を読んでいるグループも。。。自分たちがやった実験です。原稿を読むのではなく、しゃべるトレーニングはしてほしいなと。。。あと、おもしろい現象があっても、それに気がつく訳ですが、それよりも教科書通りというか、次はこれを計測すると言うことにいきがちで、不思議と思ったことを追求しない。というのは、もう少し考える、なぜ、そんな不思議なことが起きるのかと言うことを。。。あと、プレゼンの仕方。なにが問題で、これまでの実験となにが違うのか。自分たちのfieldでは一般かもしれないけど、他のfieldでは一般でないことは、わかりやすく。また、実験の工夫した点は何か、それをうまく強調して説明すれば、もっとよくわかるようになるのではと。。。ぜひ、トライしてみて下さい。と言うようなことを、最後にこちらからのコメントとsuggestionとして。。。

DSCN1624.JPG 午後は、これの企画というか、連動企画で、内閣府 男女共同参画推進事業、「理系の仕事--いつか未来をつくるあなたへ--」と言うのもあったのですが、年末からほぼ土日がつぶれていたこともあって、。。。先週の水曜日の夜から続く「マウス細胞の初期化」というか、理研の小保方博士のことがあったので、タイムリーな企画であったのではないかと。。。昨日、今日とでこちらもたくさんの刺激を頂きました。ありがとうございました。本企画を準備・運営し、招待頂いた福島高校SSH関係の橋爪先生、原先生、高野先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。次は、SSHの運営指導委員会で活動の全体を拝見できるのを楽しみにしております。


 わたなべしるす

 PS. 英語での発表をされていた生徒さんたちは2年前に、キャリア教育を行った磐城高校の生徒さんたち。あのとき、1年生全体に講義をしたのですが、2年生になって。。。とてもしっかりしていたのが、感動でした。SSHが人を育てているんだなと。。。

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【出前講義】平成25年度FSC(ふくしまサイエンススクールコミュニティー)生徒交流会・コメンテーター、その1(2/1)

2014年2月 1日 (土)

 今日から2月。あっという間に1月がいってしまった感じです。何ができたのか、改めて考えてみないと。1月最後の1/31は、東北大の第100回サイエンスカフェ。20minという出し物の時間ですが、きて頂いた方々には楽しめたというような話しも漏れ聞こえてきて。。。少しほっとしています。

 2月最初は「ふくしまサイエンススクールコミュニティー」生徒交流会。その1日目は、ポスター発表とサイエンスプロジェクト。福島高校のコアSSHの取り組みの一環で、参加校は県内の7つの学校。SSHを実施していない高校も参加して、どれをゆっくり聞こうかと思うような数多くのポスター発表は、仙台三高での「みやぎサイエンスフェスタ」とはまた違って、迫力があります。この中から全国のSSH大会で発表するもの、それ以外のイベントに参加するものもあると思いますが、異分野交流によって、プレゼン力というか、対応力というか、そうしたものを学んでほしいと。。。

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DSCN1599.JPG ポスター発表は2部構成になっていて、その間に、サイエンスプロジェクトがはさまれていて。高校の枠を超えて、6名がグループとなって、決まった数の割り箸と輪ゴムを使って、机の上からより長く、飛び出した構造体を作る。高校生ならではの柔軟な発想が。見ているこちらも楽しめましたし、子供の頃に割り箸を組み合わせて作った、輪ゴムを飛ばす鉄炮のようなものを思い出したり。。。「考える力」、「突拍子もない発想力」、「グループ統括力」など、多くの力を養えるのではと。。。大学に戻って、何かの機会に使わせて頂きたい企画でした。で、最高記録の発表は明日になるのですが、一番だったのは、実は先生方の力作。絶妙なバランスで。。。発想の転換だと思いました。なるほどと。生徒に負ける訳にいかないという先生方のすばらしい発想というか、力作というか。これがあるからこそ、生徒もがんばれるのだなと。。。

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DSCN1610.JPG 後半のポスター発表では、いくつかに質問をして。。。なぜ、この実験をしたのか、その理屈はどうなっているのか、科学的根拠は。。。と言うことをしっかりしたら、よりよいものになるのではと思いました。

DSCN1613.JPG 最後は、交流会と言うことで、生徒さんと先生方とプレゼンなどを見ながら、。。台湾研修、物理系セミナーの報告などなど。物理系セミナーの報告で、野球のバットが釣り合うようにしたとき、バットのヘッド、グリップ側のどちらが重たいか。とても難しい問題と思いながら、釣り合うから、同じ重さなのかと思っていたら、ヘッドの方だそうですが、解説がありませんでした。。。。あれ?SSHの科学という概念はどこに行ったんだろうかと。。。あとで、解説をお願いしました。物理以外にも、化学、生物、地学と。。。よい情報交換会ができました。ありがとうございました。明日の口頭発表を楽しみにしています。


 わたなべしるす

 PS. 台湾と言えば、昔からお世話になっているPenn State Univ.のProfessor Kaoの出身地。いつかこちらも伺いたいなと。。。。

 PS.のPS. 上の物理の問題。子供の頃の魚の行商のおばちゃんが持っていた竿秤(さおばかり)の原理。そういえば、長い竿のところにおもりをつけて、皿の上にのせた魚の値段を釣り合ったところで、計算していたのを思い出しました。明らかに、つるしているところから、皿の魚の重さの方が重たくて、長い竿の先の方にあるおもりは軽かったと。。。そう思いました。と言うか、思い出しました。解説、ありがとうございました。というか、こんな身近なところにヒントがあったとは。。。。まだまだ修行が足りないと思いました。。。生徒さんからの説明をサポート頂きました、福島高校・物理の原先生、ありがとうございました。



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【出前講義】東北大学サイエンスカフェ第100回スペシャル「楽しい実験・展示ショー」に「花の不思議を探しだそう!!」(1/31)

2014年1月31日 (金)

 想定外というのは天気に当てはめるのは、かわいそうかもしれないですが、今日の予報は朝だけ雪またはみぞれ交じり。というので、安心していましたが、昼過ぎには温室の屋根が真っ白に。。。写真を撮ってなかったのは、このあと記す「東北大学サイエンスカフェ第100回スペシャル」での「楽しい実験・展示ショー」に「花の不思議を探しだそう!!」という出し物をする関係とやっぱり、年度末、あれこれと仕事が。。。それから、昨日から書き忘れていましたが、共同研究をしている大阪教育大の鈴木先生が打合せとこれからの研究の方針などをlab memberとの話しをと言うことで、いらしていて。。。こちらも、電話ではたまに議論することはあっても。やっぱり、顔を合わせて話しをすると、つい忘れていたようなことも、ちゃんと忘れずに、議論できたような。。。(たぶんですが。。。)。ありがとうございました。大阪教育大は奈良県境ということもあり、意外と雪は降るようで、。。慌ててなかったのは、さすがと。というか、3日間、ありがとうございました。

 で、夕方にかけては、東北大学サイエンスカフェ第100回スペシャルで「花の不思議を探しだそう!!」という実験講座というか、実際には、きて頂いた方々への質問への回答という感じでしたが。。。こちらが準備したのは、第64回でお話しした「花の不思議、自家不和合性」について、わかりやすく、前回同様に「リンゴ」をモデルとして、。。そのポスターの隣では、曽根さんが修論発表会に使うように準備していた花粉動態の映像。ボードの裏には、実験コーナーで、花の観察、DNAの単離、それらを体験して頂いた方々には、5つのりんご品種「サンふじ、王林、シナノスイート、サンジョナゴールド、星の金貨」から1つをプレゼント。

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DSCN1559.JPG 実験講座の前には、サイエンスカフェの企画したきっかけ、日本・世界のサイエンスカフェの状況。そのあと、サイエンスカフェを企画されていた科学者の卵養成講座でもいっしょにやっている工学部の安藤先生、防災研の久利先生等がひな壇に並んでのパネルディスカッション。その時、高校サイドからと言うことで、いつもお世話になっている、仙台一・小松原先生からなぜ、サイエンスカフェに参加するようになったのかという話しも。スライドには、渡辺が出前講義を行っているところを使って頂いていました。ありがとうございました。

DSCN1561.JPG このあとがこちらの時間。20minしかなかったですが、用意したポスターのパンフレット、花粉のことを記してある資料、バナナからDNAをとるという資料を配りながら、ポスターに書いたリンゴが逆さまになっている理由、自家不和合性があると言うこと、自家不和合性があっても、食べている部分は問題なく、ふじなら、ふじの味になる不思議の話。また、農薬減のリンゴとか、ポリフェノールがどこにあるのかというような難しい質問も。あっという間に、用意したリンゴもなくなり、資料も100部用意しましたが、こちらもほぼ、なくなったのでは。聴衆の方々に楽しんで頂けたのであれば、。。と思うばかりでした。

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DSCN1595.JPG 実際に手伝いをしてくれた増子さんには、花の顕微鏡観察、DNA単離実験がどうなっているかをサポートする余裕もなく。。すみませんでした。。と言うか、お任せにして、しっかりやってくれ、ありがとうございました。また、辺本さんもサイエンスカフェの学生メンバーとして企画をされていましたが、そうしたものを見る機会もなく。。。あっという間の20minでした。最後には、リンゴもほぼなくなる勢いでどれだけたくさんの方が集まったか、。。

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DSCN1572.JPG 今回の資料作成から当日の準備、展示、片付け、撤収という何から何まで、labの増子さんにはお世話になりました。ありがとうございました。もちろん、資料の詰め込みでは、伊藤さん、花の準備と動画の提供では、曽根さん、片付けのところは、辺本さんと仙台一の生徒さんたち。それから、20minのプレゼンの間、写真撮影担当を頂いたのは、科学者の卵養成講座の事務局を担当されている白戸様でした。皆様、本当にありがとうございました。皆様のサポートがあって、これらのことができました。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. パネリストだった仙台一の小松原先生とは、今後の出前講義とか、これからの方向性など、いろいろと議論頂きました。ありがとうございました。また、ちょうど1年ほど前に宮城教育大に赴任された小林先生をご紹介頂きました。科研費の日向特定領域をやっていたとき、京都大・荒木先生のところで、後にフロリゲンというのが確定するFT遺伝子のことをされていた方で。その当時、何とかアミンの酵素と相同性があるおもしろい遺伝子が見つかったという話とそのあと、それがフロリゲンだったということになって。かなり、すごいことをされていたのを今も思い出します。その小林先生とは、若手の会でお会いしたことがあったようなという記憶だったのですが、当時のことを思い出して、楽しい議論の時間でした。ありがとうございました。これからもよりよい連携ができればと。。。

DSCN1596.JPG PS.のPS. サイエンスカフェの学生スタッフの中に、渡辺が出前講義に行って、講義を聴いたという方にお目にかかって。。。びっくりでした。。。世の中は、狭くできているなと。。。どこかでぜひ、コラボできればと。。

 PS.のPS.のPS. 大学のtop pageに「東北大学雨宮キャンパス売却に係る落札者の決定について」というのが。。雪が降ったのもあって、育ったところがなくなる実感がより大きくなって。。。という感じでした。。。農学研究所も今の場所でなかったのは前にも書きましたが。。。なんというか。。。やっぱり寂しさが。。



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毎日続ける、縦横、おれい(1/31, 2/1追記)

2014年1月31日 (金)

 先週も小学校へ出前講義であった。出前講義の最後には、サイエンスと直接関係ない「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という、戦国武将の言葉を入れていた。よくわからないけどうまくいくことはある。でも、失敗には必ず、要因というか、理由があると。。。ただ、これでは難しいと思えるような小学校3年生などにも教えることがあって、それ以降、この言葉と両方使うこともあるが、最近は主に、「毎日、がんばること、続けること、努力すること」という言葉を伝えている。最初は、この言葉を入れる講義と入れない講義があったが、どこかの小学校の校長先生にお願いされて、最近は高校生のプレゼンにも入れることがある。普段、自分がlabであったり、出張先であったり、いろいろなところで、自分が普段子どもたちに言っていること、「毎日、がんばること、続けること、努力すること」を実行できているだろうかと。。。もちろん、どのレベルまでがんばるのか、毎日となると、120%の力は継続できないと思うが、それに近いことをしないといけないとは思っている。歴史上の「天才」と呼ばれた人から見たら、全然なのだろうから。。。それを「続ける」というのが、それ以上に難しい。きのうはたくさんやったけど、今日は、だらだらというのでは。。。スポーツ選手が1日休むと10日の継続だったか、それくらいを失うと。。。こうしてみると、継続は力と言うことは明白である。そんな続けることの大切さを改めて教えてくれたのが、昨日あたりから、テレビなどの報道、netでも話題になっている理研の研究者。何度も同じシーンが出てくるニュースを見たからだろうか、いくつか、なるほどと思うことがあった。植物には分化全能性があるのに、なぜ、動物、ほ乳類にはないとなっているのかということを疑っている点。渡辺自身は、生物Iだけの履修で、受験に使わなかったが、核置換の実験、確か、カエルだったと思うが、。。それだけは覚えていたが、植物との比較をするようになったのは、大学のたぶん、研究室に入ってからだろうか。当時、培養がバイオテクノロジーとして、隆盛を極めていたので。。。なので、動物でできない理由がなぜなのか、不思議でならなかったが、今回理解できた。なるほどと。。また、「今日はがんばろう、明日までやってみよう」という言葉も感動であった。続けると言うことは、こういうことを言うのだと。。。また、NatureのOfficeから「これまで歴史を愚弄するのか。。」というような言葉であったような気がするが、すごい発見というか、実験というのは、これまでの歴史がひっくり返るというか、コロンブスの卵というか、そんなことが多くあるのだろう。とおもう。そんなmailをもらっても、めげずに続けて、Natureに掲載されたというのが、感動であった。めげないで、がんばって、努力を続けることが、最高峰への道なのかもしれない。で、その実験のことを様々な新聞が取り上げていたが、その一部を以下に記しておく。いずれも感動であった。

DSCN1212.JPGhttp://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921150000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921250003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140130/scn14013013280002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140130/scn14013008430000-n1.htm
http://www.asahi.com/articles/ASG1Y41F4G1YPLBJ004.html?iref=com_rnavi_arank
http://mainichi.jp/select/news/20140131k0000m040105000c.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3000P_Q4A130C1CR0000/

 その女性研究者(最近は、リケジョというのかもしれないが。。)、小保方晴子博士が言っていた言葉に、色々な人が場面場面で助けてくれたと。もちろんそうしたことがあるのも、真摯に研究を続けていたからであろう。そんな研究室とは、。。高校生が昨年末にも「科学者の卵養成講座の発展コース」で訪問してくれ、実験をしていったが、研究室がどんなところかというのは、なかなか想像しがたいものだと思う。そうしたことを、これはという形でまとめてくれていたのを、宮城県の地方紙・河北新報の「プリズム」という書き物。現在は、金属材料研究所の佐々木教授が書かれている。その中に、大学の研究室はヒトのつながりを学ぶ場であると。。様々な年齢層という縦のつながり、学生のところは同期がいれば横のつながりということになる。それは社会に出た時の小さな職場と同じ。そこに適応することは、社会に適応すること。そう考えれば、研究室でどんなことを学び、どんなことに気づいて、社会に出るかと言うことは重要なポイントとなる。もちろん、教授である自分の普段の行いというか、行動というか、そうしたことが学生さんたちに影響しているのだろう。もちろん、今の自分も指導教官であった日向先生をはじめとするlab memberからの様々な影響、教え、また、外部の共同研究先の先生方からいろいろなものをもらったように思う。そんなことを大切にすることが、今回のような大きな発見につながるのだろう。あらためて、研究室運営というか、研究室で日々のあり方の大切さを考えないといけないと。。。

DSCN1245.JPG そうした日々の指導をしてくれたり、逆に指導をしていた学生さんから刺激を受けたりして、今の自分がある。そうした方々にお礼をというか、感謝というか、そんなことも今回の報道の内容では考えさせられた。ちょうど、そんなことと同時期に「変わる」と題した生命誌年刊号 vol. 73-76, 中村桂子編集という本を頂いた。その中に、「化学で生命現象をつなぎ、人をつなぐ」と題して、渡辺自身、学部4年生の6月か、7月からお世話になっている奈良先端科学技術大学院大学 名誉教授の磯貝先生の小さい頃からの話がつづれたものがあった。渡辺が磯貝先生の研究室に伺ったのは、まだ、東京大学農学部にいらしたころ。とても重たい鐵の扉を開けて、「東北大の渡辺と言います。日向先生の研究室から来ました。」というようなことを言ったような。その時、研究室の奥から、「はい、どうぞ。」というようなことを今も変わらない声で。。。雌しべの先端の柱頭を凍結したものを持ち込み、あらかじめ、精製されていたSLG糖タンパク質を頂き、その濃度がこうなっているとか、どの様なbufferに解けているとかなど、色々なことを教えて頂いた。それ以来、こちらも少しずつであったが、「化学」の言葉などを覚えて、会話の中には入れるようになった気がする。もちろん、気がしているだけで、「化学」の本質などまだまだである。テレビなどの報道と共に、この本が届いたのも、「何かの縁」だろうと思った。昔のことをしっかり振り返って、あのとき、こうしておけばよかったと言うことのないように、これからも毎日続けて、よりよい研究成果を生み出し、教育した人材を社会に出すことができればと。。。。そんなことを考えさせられた今回のニュースというのだろうか、そんなことであった。。。ありがとうございました。


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DSCN1552.JPG わたなべしるす

 PS. 2/1追記。このJT生命誌研究館の記事に、「年を刻む冬眠物質--低体温の世界--近藤宣昭」と言うのもあった。去年の今治自然科学教室で本が紹介された近藤先生今治西高の卒業で、渡辺の15級先輩。自然科学教室で名前が出たときもびっくりでしたが、こうした1つの本の中にとじられるというのも何かのご縁。とても不思議に思った瞬間でした。どこかで近藤先生にお会いできるのを楽しみにして。。。


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【出前講義】石川県立小松高等学校・SSH課題研究ポスター発表会・審査員(1/29)

2014年1月29日 (水)

 昨日はNSH成果発表会で文系の発表会でしたが、最終日はSSH課題研究のポスター発表会。今回はコメントするだけでなく、審査員も仰せつかりました。秋に来たときには、時間の限られた中での口頭発表でしたが、今回は1hrで発表を聞きながらの審査員。それぞれの研究のどこがポイントで、どこにまだ穴があるというか、問題を抱えているというか。そうしたことを質問して。。。それでも1hrという時間制限で数学の課題は、少し見たくらいで。ただ、数学は秋の発表会で質問したような。。。そんなのもあって。

DSCN1545.JPG 発表会の時間とその前の時間が、毎週の課題研究の時間のようで、1hrは準備をしたり、見せるために、いろいろなものを用意したり。発表を見ていて上手だなと思ったのは、実物だったり、動画だったり。昨日の紙芝居でないですが、わかりやすい説明は重要だと。。。今回は特にSSHをやっている理数科の生徒が普通科の生徒向けに説明というのがメインの目的で、その意味では、わかりやすい説明の大切さも理解できたのでは。。。実際、「理数科がこんなにすごいことをやっているのだな」というようなコメントがあったとか。

DSCN1546.JPG 今回のプレゼンのあとは、残り、課題研究を文章としてまとめること。そのあと、どれかの課題が選ばれ、夏のSSH全国大会での発表になるのではないかと。選ばれた課題のみなさん。小松高校代表として、がんばってください。

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DSCN1548.JPG と言う訳で日曜からの北陸・石川での出前講義も終わり。。。今月末のサイエンスカフェ、福島県全体のSSH発表会にと思います。この4日間、様々なcareを頂きました、小松高校・寺岸先生をはじめ、SSH関連の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 今朝のwelcome boardのことを書くのを失念していました。というか、この記事を書いているときにはすでに、ありがとうございましたのことを記した、boardも玄関に。こちらこそ、お世話になりました。生物部の活動でさらなる発展があるのを楽しみにしていますので。

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DSCN1550.JPG PS.のPS. 小松高校に伺っていていつも思うのは、日本海だと思うのですが、そこに沈んでいく夕日がきれいなこと。。。今回、どれだけ写ったかわかりませんが、それらしくは。。。また、小松駅はいつでも、新幹線が、金沢以西に延長してもOKな状態になっているのも。。。

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