東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】愛媛県立今治南高等学校・出前講義「高等植物における生殖・受粉反応」と「農学・生命科学入門」(6/16)

2014年6月19日 (木)

 6/16(月)・午前中の新居浜市立金子小学校から午後は、今回の講義で最初の高等学校(これを書き終わったのは、6/19の木曜日。。。。遅くなって申し訳ありません。。。)。愛媛県立今治南高等学校。普通科と園芸クリエイト科があり、園芸クリエイト科は昔で言えば、農業科でしょうか。農学部農学科だった大学時代。また、今の研究室でも栽培力向上に向けて、いくつかの作物も栽培しています。ついつい、果菜類などの栽培を見ると。。。愛媛県立今治南高等学校は、本校と園芸クリエイト科のある所に飛び地が。本校の玄関の所でも生徒が作物が育つことを日々観察できるモデル農園が今年も。やっぱり、身近なところに野菜が育っているのを見ることは大事だと、改めの再認識。まだ、渡辺の研究室にここまでの栽培力がなくて。。。

P1000040.JPG 前半は日高農場でスイカをモデルにした受粉と果実形成の予定。例年であれば、この時期に受粉作業の実習ができるのですが、講義前に雌花の数を数えると、2つほど。。。これではと、果実を見ていると、かなりの数の果実が変形。受粉作業が不十分だったことに由来するのか、その当たりは、よくわかりませんが、であれば、実際に果実を外部形態と内部形態を比較。と言うことがよいだろうと。担当の別府先生と協議して決定。講義では最初に生徒さんたちが日々管理している担当のスイカの前に座ってもらい、各自の果実で変形しているものcheck。また、裂果している果実の中がどうなっているかもあわせて観察と言うことで、そうした果実とほぼよい形態になっているものを比較対象(control)に。一部、枯れかけになっている個体も発見。その果実がどうなっているかも観察。様々なことを切って内部形態を見ることができたかと。なにより園芸クリエイト科。たくさんの果実があるので、切ったのは5個くらいだったですが、問題なく切って観察できるというのは、去年、まともなスイカを作るのに苦労した研究室での栽培力。まだまだ、修行が足りないなと。。。

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DSCN2893.JPG 実際に切って内部を観察すると、生長不足の部分には、種子形成がほとんどない。これを見ると、種子ができるから果実が肥大するというのを改めて、現場で見ることができました。交配した日付をしっかり書いているのは、遺伝学の実験で書いているのと同じですが、この場合はスイカの収穫日を推定するため。ところが、何かの原因で枯れて大きくなってないものも切ってみると、中は赤くなってないものも。交配からの日数が15日違うと、果実の中がかたや赤いのとそうでなくて、まだ、メロンのようなものも。この赤くなってないものも食べることができるのかというので、糖度計で見ると赤いのが12くらい。一方、赤くないものでも8.5だったでしょうか。意外に糖度があるのはびっくりでした。園芸クリエイト科でよいのは、最後は実際に試食。赤くなってないものを食べる生徒さんも。

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DSCN2915.JPG 講義が終わったあとで世界に向かって集合写真なのですが、外での実習が終了した時点で世界に向かって。。

DSCN2922.JPG 後半の講義では、最初は恒例の作物の花とその作物名。クダモノトケイソウ(パッションフルーツ)とサトイモの花がわからなかったくらいで、ほぼ全部を答えた生徒さんが。感動でした。もちろん、ヒマワリの上のハチが次にどこへ行くか。花の名前を知らないのは意外でした。講義の初めは、受粉、受精の重要性をいつもの自家不和合性、受精の動画を使いながら。。。植物にもこんなことが起きるのだなと。どこでも感動は一緒。

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IMG_1515.JPG 講義の後半は、なぜ、品種改良をするのか、と言う農学にとって重要なこと。実際に前半の実習で使ったスイカも品種改良でできたもの。その多くが今では一代雑種育種法(F1育種)。それによって雑種強勢が出ると言うことも。ただ、実際には大量の交配実験をして、その中で、収量を調べるという作業が必要だと。

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IMG_1521.JPG ここではトマトの水耕栽培が有名。今回は実際の植物の状況を確認できなかったのですが、水耕栽培と土耕栽培の収量の違いを比較したいと言うことでしたが、実際の育種現場でのKnow-howを紹介したのですが、参考になったようでした。講義だけでなく、実習をやってそれを理解するというのは、やっぱりよいものだと。。。

IMG_1524.JPG 本校に戻って、普通科の生徒さんたちにも講義。集まってきた生徒さんたちの希望に合わせることができるように、「自家不和合性」と「キャリア教育」の両方を用意して、聴講に来てくれた生徒さんの希望を聞いたところ、キャリア教育の話がよいと。生徒さんたちの進路を聞いたところ、3年生とはいえ、しっかり将来こうしたことをしたいということが決まっていたのは、よいことだと。また、高校での普段の学習で「数学」では論理性を学んでいる訳なので、大事にしてほしいと。また、大学をはじめとする将来、どの様な人たちと巡り会うかによって、また、それを選ぶことができるなら、その選んだ人たちによって人生が変わることもと。。実際、渡辺もそうでしたので。あとは、人生を乗り切るための「座右の銘」のようなものを持ってほしいと。今回お渡しした資料にもいくつか書いておきましたので。

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IMG_1528.JPG 最後になりましたが、奥野校長先生、定岡教頭先生、菅教頭先生、園芸クリエイト科・別府先生、生物科・東先生、久保先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今年もとても楽しく過ごせました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 出前講義のあとにあれこれとあって、講義のあとこれまで遅れてのuploadも久しぶり。。。そうしたら。。。さすが、というか、愛媛県立今治南高等学校のHPに講義のことが記されているのを見つけました。丁寧書いて頂き、ありがとうございました。この速さを改めて学ばないと。。。

 PS.のPS. この記事を書き始めたというか、少し書いて、と言う時間に、2014年6月18日 21時40分頃の宮城県沖を震源とする、M4.3の地震で震度1。研究室の確認ができてないですが、地震が多いのが気になります。。。



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【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・科学教養特別講義「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」(6/17)

2014年6月17日 (火)

 前日までは何とか天候が持ちこたえていましたが、朝から雨模様。。。夜のニュースを見るまで台風が来ているのも知らず。。。18日の午前中にかけて、雨が強くなるということで、田植えをやろうと思っている代かきの終わった水田には、よい雨だったのかもしれません。聞いたところでは梅雨入りからずいぶん雨が降ってなかったと。前日の午前が新居浜市立金子小学校。そこから予讃線で高松方面にいったところがちょうど観音寺駅。本当なら、昨日の午後から、愛媛県立今治南高等学校の記事のはずなのですが。。。すみません。なるだけ、急ぎ書くようにしますので。。。(ようやく、19日の朝、書き上げました。。。)

 その観音寺駅から車で5minくらいの所にあるのが、香川県立観音寺第一高等学校SSH実施校で、運営指導委員も仰せつかっています。2010年から毎年伺っていますので、ちょうど5年目の節目の年になりました。講義内容は、宮城第一高校仙台第一高校金沢泉丘高校で行った「キャリア教育」の話で「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」。最初に司会の方から、この講義が科学リテラシーとキャリア教育の両方を含んでいると言うことで、可能な限り、科学の話もしましたが、いかがだったでしょうか。司会のあと、教頭先生から渡辺の講義について、「これからの高校での生活、さらにその先の人生に活かせるような講義であると。。」と言うコメントがあり。。。このようなことを最初にお話し頂いたのは、はじめてだったこともあり、かなり緊張でした。今回の講義は「国際植物の日」のイベントであったことから、東北大からのプレゼントともう1つ。渡辺の最近の研究の論文の別刷を。別刷をお渡しするのは、はじめてなのですが、SSHなどで論文を読むようなこともあるのではと言うことで、プレゼントにしてみました。かなり人気があったのかもしれないと。。

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DSCN2941.JPG 講義では、渡辺の小中高時代にどの様な生活をして、そこから何を学んだのか。観音寺の周辺もまだよい田舎というのは失礼かもしれないですが、子供の頃、学校の帰り道で歩いていて、道の真ん中など危ないところで、車が通ると、知っている人の車だと、「危ないから気をつけるようにね」と注意してくれる。もちろん、渡辺のころもそうでした。そうしたことから、危ないことを覚えたのだったと。いつものように、あやとり、ルービックキューブを実演できる方もいました。niceでした。繰り返して覚えたことだと思います。その繰り返しの大切さを忘れないで下さい。また、高校の授業で何を学んだのかというか、今から考えると、それぞれの教科の重要性というか。。。将来、科学的なことを考えるために重要である論理性を学ぶ上で、「数学」の論理的な考え方を学ぶことを大事にしてほしいと。また、大学、その先にであるであろう方々との相性であったり、その方々からの影響というのは大きいと。だからこそ、師匠をしっかりと考え、決めてほしいと。。。

DSCN2945.JPG 最後の所では、将来を考えること、座右の銘を持つことの大切さなど。。。もちろん、質問コーナーも。途中で思ったよりも質問が少なかったので、何とかしないといけないと思い、「別刷をもらったヒトは、サインをしましょう!!」といったら、止まっていた質問があっという間に増えて。。。。びっくりでした。もちろん、講義のあとには、サイン会を。もちろん、質問をしたり、なんかをできた生徒さんたちがもらった別刷に。これからの何かの糧になれば、幸いです。これを書きながら忘れていたこと。。。全体の集合写真。失敗でした。すみません。。。司会の方々もとてもしっかりしていました。

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DSCN2952.JPG 講義が終わったあとには、教頭先生、1年の担任の先生方と今回の講義等について、討論の時間。こちらの講義が概ねよい方向であったこと、また、最後のサインをするという話になったときに、質問の手がたくさん上がったというのは、先生方も驚きだったと。。。いずれ、論文を読んで、科学に触れるきっかけになるのではといって頂き、ほっとでした。最後になりましたが、教頭先生、1年担任の上原先生、猪熊先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今年もとても楽しく過ごせました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。まずは、木曜日のSSH発表会と運営指導委員会でお世話になります。


 わたなべしるす

 PS. 今回の講義のお世話を頂いた石井先生は数学関係の会議があり、講義のあとにしかお会いなかったのですが、時間をとって頂き、昨今の教育事情、問題などについて、deepな議論ができました。ありがとうございました。また、先日の石井先生からの紹介で、渡辺の研究室を見学に来てくれた学生さんの話にも。。。

 PS.のPS. 帰りの予讃線は電車でなく、気動車。いわゆる、アンパンマン列車。子供向けとはいえ、扉の内側には、扉の開け閉めの時に気をつけるようにと言うロゴが。。。とてもniceでした。

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【出前講義】新居浜市立金子小学校「花の不思議な世界」(2014年度ふるさと出前授業-5、6/16, 22追記)

2014年6月17日 (火)

 ふるさと出前授業も3日目。今治と新居浜とは予讃線の特急で30minほど。ただ、単線だと言うこともあって、列車の待ち合わせがあるのが、少し難点。予讃線沿いでは、田植えが終わってしばらくたって、水田が緑に見え始めたところから、これから田植えをするために代かきを終えたような水田まで。子供の頃からこの時期が田植えというのは余り変わってないのだと。。。。というか、少しほっとします。天候もよく、ちょうど梅雨の晴れ間という感じで。ふるさと出前授業は金曜日の午後に今治市立富田小学校に続いて。土日をはさんだこともあって、少し余裕ができるかと思いましたが、打合せなど、。。。1, 2日目は、いずれも「キャベツとブロッコリー」でしたが、新居浜市立金子小学校は、昨年に引き続き「花の不思議な世界」。6月に観察に使う「リンゴ」を用意頂くのは、難しいと思ったのですが、その当たりは、日本の育種技術。この時期でも、低温貯蔵で「ふじ」のリンゴはちゃんと保存でき、また、王林はこのシーズンに食べることができるように、夏、冬をひっくり返して、栽培しているのかと思うようなきれいなもの。

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DSCN2821.JPG 講義では、最初に本田校長先生から渡辺のご紹介を頂き、昨年度の講義ではすごい児童の方がいましたと。。。こちらの簡単な自己紹介をして、金子小学校に来るようになったきっかけである前の教頭先生である岡田先生のこともお話しして。。。今治と新居浜、同じ愛媛の東予地方なのですが、少し感じが違うのは、その地方地方の良さだと思いました。いろいろな花の写真を見て、花の名前を考えるのでは、一番最初に「ガーベラ」の名前が出たのは、すばらしかったです。また、ヒルガオの写真を見て、写真にヒルガオの影があるのを見つけて、というも、niceでした。雌しべの電子顕微鏡観察、動画での受粉反応はさすがに「へーー!」だったようです。小学校の理科の時間に見るのとは違って、感動だったのかもしれないと。。。

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DSCN2830.JPG リンゴの花から果実ができて、食べることができるところまでの写真を見て考えるところでは、1枚、写真がきちんと写らないことが。。。申し訳ありません。リンゴの果実が育ち始めた頃、ちょっと見たら「オウトウ」、サクランボに似ている訳ですが、冬の時期に講義をすると、なかなか出にくいのが、今回はすぐにわかった児童の方が。。。これはちょうど、サクランボの季節と言うこともあったのでしょうか。いずれ、よく観察していると。リンゴの種類は、愛媛の子供たちには、あまりしらないもの。ただ、逆にミカンの種類は、15種類以上しっかり答えてくれました。これが地域性でよいことだと思います。今回のことをきっかけにして、ちょっとだけ、リンゴも気にしてもらえれば。。。

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DSCN2839.JPG 自家不和合性の動画は、やっぱり感動だったようです。と言うか、不思議だったのかもしれません。植物に自他識別ができるのは。で、なぜ、自家不和合性という形質があるのか。今年もすごい児童の方々が。。2-3名の答えを合わせると、ぴったり。。。是非、将来、渡辺の研究室で一緒に実験をしましょう。楽しみにしていますので。今は虫とか、他のものが好きかもしれないですが、渡辺も小学校の頃は、カブトムシ、クワガタムシを捕る毎日でしたので。最後にリンゴの花とリンゴの果実の対応。ひっくり返っていると。それを実際にリンゴを切って観察してもらい。。。不思議に思えたというか、秋にリンゴを食べる時に、また、観察してみて下さい。講義が終わって質問の時間をゆっくり取れましたので、質問の時間。10以上の質問があったと思います。とても鋭い質問もありましたし、感動したのは、質問に対して、他の児童の方が回答すると言って、手を上げて、答えてくれたこと。。。すごすぎですというか、初めての体験でした。是非是非、渡辺の研究室に。

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DSCN2843.JPG 最後に児童を代表して、とてもしっかりしたお礼の言葉を。今日のことをきっかけに、身の回りの不思議に気をつけて観察してみて下さい。挨拶のあとに、全体の集合写真。世界に向けて。。。

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DSCN2845.JPG 講義の時間と電車の時刻表の関係で、学校に訪問したあと、講義が終わったあとの空いた時間で、本田校長先生と昨今の教育問題について。いろいろな小学校をはじめとする学校に行きますが、昔であれば、職員室、校長室は1Fにあるのが多かったのが、今は2Fにと言うのも。。。玄関から1Fにあるというのが、渡辺の小学校時代であったので。また、動物の飼育というのは、この小学校でも大変なようですが、先生方が対応することで、実施していると。いろいろなことはあるかもしれないですが、「いのちの大切さ」を理解する上でも、動物が小学校にあったのは、よかったと。もちろん、それだけでなく、様々な効果があったと。。。渡辺自身が小学生であった時代とは異なり、難しい時代なのかもしれないですが、それだけにその当時は何を期待して、どんなことをしていたのか、今は何を期待して、何をして、何ができないのか、単にこうした教育問題だけでなく、サイエンスを展開する上でも、大事なヒントになるのではと。。。

 最後になりましたが、金子小学校校長・本田先生、教頭・今村先生、6年担任の先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今年もとても楽しく過ごせました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 以前に書いた「キウイフルーツかいよう病」。病害の出ている枝の伐採なのか、全伐採なのか。。。難しいところでしたが、やっぱり現地に行くと、こうしたニュースにも触れることができ、難しい問題なのだと。。。今村教頭先生からこの病害の原因が輸入の花粉由来と言うことが言われていることから、「そんなこともしているんですね」と。。リンゴなどの花粉も輸入されているという話をしたとき、かなり驚いておられました。一般の方には、こうした花粉の輸入というのは「へーー」なのかもしれないですが、病害の拡大などを考えたとき、国内での問題解決と言うことも含めて、複雑で困難な問題であることを実感しました。

 PS.のPS. 去年まで教頭としてお世話になっていた岡田先生は愛媛県教育委員会東予教育事務所に異動になられたと。どこかの小学校でお会いできるのを楽しみにしていたのですが。。。。また、次の学校でを楽しみにしてお待ちしております。

DSCN2814.JPG PS.のPS.のPS. Twitterではとりあえず、地震のことを書きましたが、2014年6月15日 2時31分頃の岩手県内陸南部を震源とする、M5.5の地震で震度26月16日 3時19分頃の茨城県沖を震源とする、M5.6の地震で震度26月16日 5時14分頃の福島県沖を震源とする、M5.8の地震で震度3。で、研究室に被害はありませんでした。また、この記事を書いている6月17日 2時42分頃の房総半島南方沖を震源とする、M5.3の地震もありました。研究室を離れているときに、これほど地震があるのもずいぶん久しぶりで。。。何が起きるのか。。。少し出なく、かなり気になって、地震情報を見ている毎日です。。。。

 PS.のPS.のPS.のPS. 6/22(日)追記、金子小学校のHPに講義の記事を見つけました。ありがとうございました。



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【出前講義】今治市立富田小学校「キャベツとブロッコリー」(2014年度ふるさと出前授業-4、6/13)

2014年6月14日 (土)

 午前中が、日吉小学校で4校合同最後の出前講義。午後は、一昨年から伺っている今治市立富田小学校。「授業の鉄人」と言う名称だったと思いますが、今治市内ではじめて出前授業を常盤小学校で行ったときにお世話になった村上教頭先生がいらっしゃる学校。出前講義に伺うたび、緊張するとともに、今日の出前講義の講評ではないですが、コメントを頂き、講義のKnow-howというか、ポイントというか、そんなことを学ぶよい機会でした。ところがこの「ふるさと出前授業」の日程が決まったあと、今治市教委から午前中に視察があるのと、午後から出張と言うことで、村上先生とはすれ違いと言うことだったのですが、日吉小学校から移動した時間などがniceで、職員室で少しお話しする機会も頂きました。そんなこともあって、いつものように1クラスだけというのではなく、6年生全体に「キャベツとブロッコリー」と言う講義となりました。昨年までの「ウリ科の多様性」の話もそれはそれでよかったのですが。。。その職員室で、小学校での英語授業の関係だと思いますが、ATLの外国人の方も。よい機会でしたので、いつものように自家不和合性と今日の出前講義の話を英語で。どうしても普通の単語が出てこないので、論文を書くときに使うような英語で。。。やっぱり、普通の英語も使えないといけないなと。。。改めて、英語を話すのは「気合いだ」と言うことを。。。。

DSCN2737.JPG 講義は体育館で。講義を聴くために、机といすを用意して。昨年の冬の波止浜小学校での講義を思い出しました。また、近くに小さな農家の方で農産物を出荷・販売できるところがあることもあって、たくさんのキャベツ、ブロッコリーを用意頂きました。ありがとうございました。また、講義をするテーブルの上には、季節感のある「あじさい」の綺麗な花が生けられてあって。。。講義は、昨日今日の午前中と同じで、トマトの生長のこと、つまり、種をまいてから、種ができるまで形態的な変化がどうであるかと言うことの復習。そのあと、今日の講義で考える「キャベツ」と「ブロッコリー」の成長パターンを説明。富田校区は、前日の桜井校区のとなりというか、渡辺が小学校時代、ザリガニ採りなど、よく遊んだ場所。田畑もあるので、キャベツ、ブロッコリーの生長は登下校時に見ている児童が多かったと思います。ただ、キャベツからどの様に花が咲くのか、咲いた花を見たことはあるものの、その間が抜けている。どこの小学校でもなのですが。

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DSCN2754.JPG で、本題のキャベツとブロッコリーの遺伝子を持った新しい「植物」はどんなものになるのかを考えてもらう作業に。たくさんのキャベツ、ブロッコリーを用意頂きましたので、2つのグループに1つは観察できるくらいのキャベツとブロッコリーを縦に切ったものを配布して、絵を描くときの参考に。富田小学校ではこの講義がはじめてだったので、先輩から話を聞くとができないなどあったのでしょうか。多くのグループがどんなものを書こうかなど、少し苦労をしていたようです。ただ、最後の追い込みはすばらしく、午前と同じで、additional timeは、2minで完成。

DSCN2756.JPG プレゼンは、どのクラスも1番の発表を希望したこともあり、じゃんけんで順番を決めて。プレゼンの絵に工夫をしているグループも。両親のキャベツとブロッコリーを書いて、そのF1がどうなるかをというのも。niceでした。発表をグループなできちんと分担して発表していたり、班員全体での取組というのもよかったと。ただ、いくつか気になるような絵が描かれてあったりして、それについては、渡辺の方から、これはどういうことなのですかと質問を。もちろん、発表を聞いているみんなからもたくさん質問が出ました。両親が持っていない形質がF1に現れているのを鋭くついて、なぜ、親にその形質がないのにこうなるの??このあたりは「授業の鉄人」効果だと。。。時間の関係で、全員に質問をしてもらえなかったのが、残念でしたが。。。

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DSCN2789.JPG 発表の最後に、コメントというか、こういうのは理科で習う植物ではないのではないかなとということを。植物の形がどうなっているかを改めて、しっかり学習してもらえればと思います。茎があって、そこから出てくるのは、葉っぱと花。身の回りのたくさんの植物、野菜で観察してみて下さい。講義の最後には、代表の2名の方からお礼の挨拶。とてもしっかりしていました。今日のことをきっかけにがんばって下さい。この富田小学校でも世界に向かって情報発信。

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DSCN2801.JPG 最初にも書いたとおり、市教委の視察があった関係で、校長先生と講義のあとに校長室で最近の教育問題というか、昔と比べて、こうしたらよいのではと言うような話でずいぶん盛り上がりました。今回の話す時間では時間が足りないくらい盛り上がり、来年の富田小学校での出前講義も楽しみになりました。ありがとうございました。 最後になりましたが、富田小学校校長・越智先生、村上教頭先生、6年生の先生生方をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 校長室への階段で、2年前に講義をした児童の男の子だと思います。今日の講義も聴いてくれて、楽しかったと言うことをいってくれて。。。ありがたいことです。また、どこかでお会いしましょう。

 PS.のPS. この記事を書いていて、富田小学校のHPにこの講義の記事を見つけました。丁寧に書いて頂き、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

 PS.のPS. この日の夜は今回お世話になる先生方と情報交換と言うことで一緒に食事会だったのですが、企画頂いた今治小学校・高橋校長先生の計らいで3月に頂きました「野依科学奨励賞」のお祝いも。。。(なんというか、はずかしくて、穴があったら入りたいと言うのこのことだと。。)。高橋校長先生をはじめ、今治の先生方にご協力頂けたからこそ、この賞を頂けた訳なので。。。こちらがお礼をしないといけないのにと。。。会には、退職され、かつてお世話になった校長先生や、この秋の出前講義でお世話になる学校の先生方も。秋にもできるだけの小学校を訪問したいと思いますので。よろしくお願いいたします。

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【出前講義】今治市立今治小学校、日吉小学校、美須賀小学校、城東小学校「キャベツとブロッコリー」(2014年度ふるさと出前授業-3、6/13, 16追記)

2014年6月14日 (土)

 前日は、母校の今治市立桜井小学校今治市最初にできた今治小学校で出前講義。朝から、天気もよく、前日の雷が鳴ったり、突然の雨だったりするのが、あれ??と言うようなくらいの好天に恵まれた2日目。午前中は、今年度で閉校となり、4校が統合され、吹揚小学校となる、今治小学校日吉小学校美須賀小学校城東小学校の4校を日吉小学校で。日吉小学校は子供の頃から学校、校庭などをよく見かけた小学校。閉校となるというのは、何ともいえないものが。。。玄関の脇には虫にたくさんかじられた「キャベツ」。どこの小学校でも実験に使うので、栽培されているのを見かけます。小さな中庭に「大仏」さんとおぼしき絵が地面に。何に使ったのか、伺わないままでしたが。おもしろい試みだなと。。。この小学校は伺い始めた頃からずっとだったと思いますが、welcome boardが。ありがとうございました。

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DSCN2669.JPG 体育館には4校の児童の皆さんがそろっていて、急ぎ設定。挨拶のあと、早速講義の開始。統合前の4校合同での最後の講義と思ったら、何ともいえない気持ちとなり。。。本当なら、最後に閉校と統合する学校の話をと思たったのですが、こちらの思いがこらえられず。。。それぞれの小学校での思い出を大切にして、これからもがんばってほしいと。。。講義内容は、前日の桜井小学校と同じ「キャベツとブロッコリー」。同じように、トマトの形態の話から始まり、キャベツ、ブロッコリーの生長を説明して。桜井より町中。少しキャベツが育っていたり、ブロッコリーが育っているのを実際に見たことがないというのは、それもそれぞれの学校の特徴というのかもしれないと。キャベツを切って横断面を説明するとき、周りにあるのは「葉」。これはまず、間違えないのですが、真ん中の三角になった部分は「茎」な訳ですが、普段の生活というか、理科の時間ということを忘れて、「しん」と。。。どこの小学校でもこれは同じです。

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DSCN2688.JPG では、この2つの野菜の遺伝子を持った新しい「野菜・植物」はどんなものか。それを理科の約束事というか、習ったことを元に考えて、グループごとに「とりのこ用紙」に絵を書く。下記ながら、渡辺に質問したり、実際の実物を観察して、こうなるのかなと考える方も。本物をしっかり観察するのは、大切ですから。書く時間は20minくらい設定しましたが、グループで議論して、考えて、しっかりかけているのは、今治の理科専科の力だと。。。昨日の桜井小学校同様に。。。少しだけ間に合わないチームから、「ロスタイム(addtional time)はないのですか???」と。そういえば、この日からサッカーのWorld cupが始まったからでしょうか。そういえば、日本代表のホームゲーム用のシャツを身につけた方も見かけました。そんなで、「では、ロスタイムは2min!!」。できあがっているところは原稿をまとめて発表の準備をしたり、実際に発表練習をしたり。発表の順番を決めるの、やりたいところからという募集をしたら、日吉、今治、美須賀小学校は最初がよいと。城東小学校は最後がよいと。このあたりも学校の特徴が出ていて。。そんな特徴がある一方で、どの学校のグループも最初にまとめる方が最初に号令をかけて、ちゃんと一礼してから発表開始。とてもかっこよかったです。そういえば、これは昨日の桜井小学校でも。発表、質疑ではグループ内で、相談・分担して対応できているのはniceでした。

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DSCN2692.JPG 発表で感動したのは、12グループ全てが「理科の考え方で考えたときに、正しくかけていた」こと。既存の野菜などを書いたり、形態的にあり得ないことを書いているグループがないのは、すごかったです。また、何より感動したのは、合体した植物を書くのにキャベツの葉っぱ、ブロッコリーの蕾を書こうとする訳ですが、2つの植物は、どちらも最後は「菜の花」になる訳。それも、こちらからのプレゼン、その資料に書かれている訳で。。。その花の状態を書いたグループが。。。このすごい発想には、「やられた!!すごい!!!」の一言でした。まさに、コロンブスのたまごでした。こちらが説明したあと、よく言われるのは、本当はどうなるのか。と言うのを聞かれるのですが、この中の今治小学校で唯一、「キャベッコリー」を実際に5年くらい前に作ったことがあり、それを見てもらいました。そんなすごい先輩がいたのだと。。。

DSCN2702.JPG このあと、代表の方から講義のお礼の挨拶と花束を頂きました。どちらも感動でした。この場所で来年は講義がないのだと思ったら、余計に。。。ありがとうございました!!もちろん、最後は、世界に向かって情報発信。

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DSCN2724.JPG 各学校ごとに分かれたあとに、日吉小学校の6年生のみんなと給食を一緒にして、サイン会(来年からは、1つの学校、みんなにサインをできますので、お許し下さい。今年は。。。)。昨日の桜井小学校と同じでした。小さな学校なので、6年生みんなと机を囲んで話ができるのは、それはそれでよいことなわけで。。。。最後になりましたが、運営でお世話になった日吉小学校の馬越教頭先生、4校の校長先生をはじめとする関係の先生方、ありがとうございました。来年は新しい「吹揚小学校」でお世話になれればと思います。よろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. この記事を書いていたら、日吉小学校のHPに講義の記事を見つけました。ありがとうございました。

DSCN2727.JPG PS.のPS. 6/16(月)、今治小学校城東小学校のHPに関連記事を見つけました。ありがとうございました。



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